第5章

「全員!全員集合!」

※ぞろぞろと集まる7人のメンバー

「なんですかイケメンの勇者さま」

「そう確かにオレはイケメンの勇者。なのにお前達は全然わかってない」

「いやだから何なのか言いなさいよ」

「そうですよ、ほらみんな出てきちゃったから見てくださいこの内Pみたいな雰囲気」

「あれですか、勇者さまはウッチャンの位置ですか」

「うるさい!黙れ!バカ!まずお前だ!ヒゲ!」

「フッフッフッ…勇者殿、このパーティーにヒゲが3人もいることをお忘れかな?」

「そこ不敵に笑うトコじゃねえよデブヒゲ!バカ!バーッカ!白ヒゲの方だよ白ヒゲ!」

「ああ、わしのことですか」

「そうだよ!てめえ、こないだオレにバイキルトかけなかったろ!」

「はあ、ピオリムって気分だったんで」

「ピオリムじゃねえんだよピオリムじゃ!!! そうじゃなくてもっとビシッと!な!!?」

「ビシッと、レミラーマ?」

「地味!!! 地味だから!!! みんなも効果忘れてるから!!!」

「一瞬ラナルータと効果ごっちゃになったりしてね」

「いいんだよそういうのは! …いいか、次はもっとカッコよくやれよ!」

「はあ」

「じゃあ次!そこの占いと踊り!」

「ジョブで呼ばないで!ジョブで!」

「うるせえ!…お前ら、こないだ渡したあみタイツやうさぎのしっぽはどうした!!?」

「売ってゴールドにして」

「それがなぜかコインになりました」

「なんでコインにしちゃうんだよ!」

「いや、もう気がついたら、ひとりでに…」

「お前おとぎ話かよ!!!! ああ、せっかくのステキなバニーを守る勇者って構図が…」

「もちろん姉さんは完全にスりましたけどね」

「いいよもう!とどめさすな!次!ピンク!」

「拙者を色で呼ぶとは…!」

「なんでもいいんだよヒゲピンク!!! ていうかお前ピンクに依存しすぎなんだよ!!!」

「そうですかなあ」

「つってるお前が着てるその鎧さあ、今完全にショッキングピンクだけどさあ」

「まあ元ははぐれメタルよろいですが」

「そこ!そこが問題!!! なんで塗っちゃうんだよ!!! 板金塗装!!? お前業者!!?」

「でもいいではないですか、心が落ち着きますよショッキングピンクは」

「落ち着くか!!! 大体な、お前がそんなの着てるとオレが目立たないんだよ!!!」

「そうですかな」

「そうに決まってんだろ!!!! オレは勇者なの!!! おねがいだから!!! 頼むよ!!!!」

「おおよそ」

「…ええい次!次は…おいお前だ!もやし!もやし!」

「私はもやしではありません、クリフ」

「いいんだよもやしで!いいかもやし、お前いい加減ザラキから卒業しろ!!!!」

「いやでもザラキは言ってみれば青春ですから」

「モンスターの一撃死を青春のひとことで片付けるな!!!!」

「いやいや、でもザラキはいいですよ」

「…つかまあね、正直お前はがんばってると思うよ。ベホマラーとかスクルトとかな」

「ありがとうございます」

「でもザラキはダメだ。ザラキは唱えてはいけない」

「なぜですか!」

「…いいか!ザラキで敵をあっさり葬ったら、オレの出番が無いだろ!!?」

「え?…あ、はい」

「それじゃあダメなんだ!多少の苦労があってこそ、引き立つものがあるだろう!!?」

「えーと、わかるようなわからないような」

「わかれ!!!」

「ひっ!わっ、わかりましたっ」

「そしてお前!アリーナ!」

「何?もしかして今呼び捨てにした?」

「…あ、いえ」

「今呼び捨てにしたよね?」

「めっそうもございません」

「呼び捨てにしたでしょう」

「しておりません」

「したでしょう」

「しました」

「もしかして調子に乗っちゃったかな?」

「はい私完全に流れの中で調子に乗っておりました」

「死にたい?」

「まだ死にたくありません」

「死にたい?」

「まだ死にたくありません」

「死にたい?」

「アリーナさま、そろそろ私の頭の上にある足を降ろしてはいただけませんでしょうか…」

「チッ」

「…えーと、とにかくお前ら!お前らよく聞け!!!! これからも長い道のりになると思うがー」

「あ、あのー」

「何?トルネコ」

「私にはなにかないんですか?」

「え?」

「あ、いやてっきりいじられるもんだとおもってスタンバってたんですけども」

「お前はいてもいなくてもおんなじだから別にいい」

「ブヒッ」

「…さて、ミーティングはこれで終わるが、お前らオレの話は理解できたか!!?」

「できません」

「はっ!!? い、今なんて言った?」

「私たちはあなたの引き立て役ではありませんから。失礼します」

「あっ、ちょっと、おい!みんな!」

「私も、失礼します」

「私も…」

「え、う、うそだろ? …み、みんな、みんな……! ああ、誰もいなくなっちまった…」

「…勇者さま」

「そっ、その声はトルネコ!!?」

「勇者さま、貴方がイケメンなのはわかります」

「ありがとう。そこは理解してくれてるんだね」

「しかし、他にもっと大事なことがあります」

「イ、イケメンより、大事なこと…?」

「それは、相手を思いやる心です。勇者は勇気だけでなく、心も必要なのです」

「心!」

「心です」

「…ありがとう、トルネコ。おかげで目が覚めたよ」

「そうですか、それはよかった」

「しかしまさか…フフッ」

「どうしたんですか?」

「いや、まさか家畜に説教されるとはなって」

「きみとはやっとれんわ」


途中ごっそりボツにしたりして、書くのに2日かかりました。

長い。

長くてすいません…。

どうしても全員出したかったんで…。


本当は個々の名前を出さないで、たとえばデブヒゲ!っていうヒントを見て、

はじめてこのセリフはトルネコのものなんだってわかるようなあいまいなカンジで

全部続けていきたかったんですけども…。なかなか難しいですね。

そもそも時間足りないよ(笑)。


ところでこんなにドラクエ4やってない人置いてけぼりでいいんだろうか…。