moon

PS「moon」クリアレビューです。

キャッチしたキャラは50匹。1匹どーしてもわかんなくて…。

あとサブキャライベントなんかは、気がついた分だけ。

全部回収するんだ!っていう気を持ってやるゲームじゃないかな…と思ったので。

…全部回収するんだ!っていう気を持っちゃうと、

途端にゲームが作業っぽくなってきて面白くなくなっちゃうじゃないですか。

アイテム回収なんかとはワケが違うからね…。

一期一会を大切に。遊びました。

でまあ、エンディングをね、見たわけなんですけど、

最終的に一番オレが救われないっていう…。

史上まれに見るゲームでしたね。

このゲームはいわゆるRPGへのアンチテーゼ的なゲームで、

「ゲームの主人公」という大義名分の下に

無抵抗のモンスターを片っ端からやっつける非情な勇者がいて、

その倒されたモンスターの魂を救っていくことでゲームが進んでいくんですけど、

…それって、

既存のゲームを真っ向から、自らの手で否定していってるわけじゃないですか。

このmoonに出てくる「勇者」は、

一応ちゃんとRPGらしいストーリーの上で勇者を演じているわけです。

画面を通した彼はまさに英雄。

なのでmoonは、ゲームの舞台裏…みたいにとらえてもいいかもしれません。

ドラクエなりFFなりMOTHERなりで、

敵を倒す主人公の後ろについてって、

やられたモンスターを助けてるのとまったく同じ。

って考えると、なんつーのかな、

「自分が意図しないところで相手を傷つけてしまっている」みたいな。

わかり…ます?

あ、じゃああれだ、言い方を変えよう。

ドラクエの敵が実は全員いいヤツだったらどうする?

相当エグくない?

レベル上げのために敵倒すのなんてメチャメチャエグくない?

ね。

そういうところを見せるゲームなのよ。このゲームは。

だから、オレが救われない。

このゲームをプレイしたオレだけが、ね。

そして、それらを積み上げた上での、

あの最後の選択肢…。

もうホントあの選択肢はつらい。

自己否定そのものっていうか。

考えすぎかもしれないけど、でもそうなんだもの。

ゲームがスキであればあるほど、このゲームの最後はツラいと思うわ…。

…ということで。

このゲームはとにかく普段ゲームをやりこんでいる人に、ものすごくオススメしたい。

「キャラがかわいいのでゲームしない人にオススメ!」なんて、口が裂けても言えない。

なんなら、

ゲームやって無い人には最後のエンディングはまるで意味不明だと思う。

ラブデリ特有の時間の流れ、キャラの動きがしんどい人もいるでしょうが、

途中の謎解きをすべてネタバレした状態でも、

なんならオチを知ってても、大丈夫。動画を見てなければ大丈夫。

自分でコントローラを握って、

勇者の後をおいかけて、

モンスターを救済して、

多少の達成感を持って、その上で、ぜひあのラストを見て欲しいです。

…この作品、PSアーカイブで出て欲しいなあ……。

今結構なプレミアがついてるのでちょっと手放しにはオススメできないのが

痛いところではありますが、

これはねー…。遊んで欲しいです。

オススメしてくださった方、本当にありがとうございました。