星をみるひと

プロローグ。

「プロローグ」
このゲームとの出会い。

…あの日。

そう、オレが田舎の従兄弟の家に遊びに行った日。

従兄弟は別にゲームが大好きなわけではなくて、「ただ暇つぶしにやってる感じ」だった。

だからソフトも定番の「スーパーマリオ」や、「ファイナルファンタジー」等しか置いてない。

が、

その中に見慣れぬゲームがあった。

灰色のカセットで、「星をみるひと」とかいてある。

「これ、やってもいい?」

「…いいけど、すげぇつまんないぜ。」

「ええ?そうなの?まあいいや…。」

当時小学4年生だったオレには、ゲームはすべて面白そうに見えた。

さっそくファミコンにセットし、遊んでみる。

けれども、ちっとも面白くない。ただただやられるのみである。

というよりその当時、

もともとアクションばっかりやっていてRPGなんて目もくれていなかったので

「星をみるひと」がつまらないのではなく、「RPG」自体がつまらない、と、思っていた。

だからその当時はさほど気に止めもせず、

「違うゲームやろう」といってすぐカセットを取り替えたりした。

あの時、

あんなものを見なければ…。

オレはこのゲームを知らずに済んだのかもしれない。

 

そして。

 

時は流れ高一になったある日、オレはとあるゲームショップでそれを見た。

見覚えのあるゲームだった。

奴は間違い無くこっちを見ていた。

気がつくとオレはそのソフトを手にし、自転車を飛ばしていた。

尊い680円と引き換えに。

それが、すべての始まりである。

これは、そんな管理人と一本のゲームソフトとの、戦いの履歴である。