クーロンズゲート

クーロンズゲートレビュー第1話

「デスマスク」というゲームのレビューを以前しました。

あの狂ったソフトは移動がフルムービーで構成されたゲームでしたが、

このムービー移動をまともに制御したゲームが!

今日紹介する「クーロンズゲート」です。

ジャンルは…なんでしょう(笑)。

スチームパンク的な、ダンジョンRPG…ですかね。

拠点となる街中の、店間の移動はムービーでなめらかに。

でも、あれほどストレスは感じません。

見習えよデスマスク!

そして、敵と戦うダンジョンパートでは、

ポリゴンで構成された迷路を1人称視点(いわゆるFPS視点)で進めていきます。

ここまでは、特に言うことはありません。

が!

そこに、モノリスのごとく巨大なカベが立ちはだかります。

それは…聞きなれない専門用語バリバリの、とにかく特殊で異質な世界観!

すごいです。

徹底されてます。

中国的なセンスをベースに、

未来とも過去とも取れない、ファンタジーとも現実とも取れない、

他に形容のしようが無いほどの世界観。

あえて言うならなんだろう、

瘴気に当てられた鳥山明先生が地下室で考えたような。

…たとえになってないわやっぱり(笑)。

とにかくそういうカンジなんですよ。

普通じゃないんです。

でまた、これがね、世界観が普通じゃないだけで、

その実態はただの3DダンジョンRPG…っていうんならまだしも。ですよ。

戦闘がまた特殊で…。

まず、数値的な概念はありません。

そして敵のマップ上の位置は基本的に固定。

敵は常に呪いを発していて、プレイヤーはその強弱で敵の位置を特定。

敵を見つけたら戦闘画面に移行。

戦闘の流れは、

敵を調査→5属性からなる敵の属性を確認→相反する属性で攻撃…と。

攻撃が成功すれば即座に戦闘終了。

しかし、「相反する属性の攻撃」は、1回使うとなくなってしまいます。

その上、ひとつしかストックできません。

この問題をクリアするために、敵の別の倒し方があります。

それは、敵の邪気を吸収すること。

吸収すると、敵の持っていた属性をひとつストックでき、敵も死にます。

…じゃあ全部吸収して倒せばいいのでは?と考えがちですが、

このゲームでは吸収によって手元に5属性すべてがそろってしまうと、

溜め込んだ邪気に耐えられなくなり、ゲームオーバーになってしまいます。

つまり、うまいこと攻撃と吸収を使い分けて戦わなければいけません。

…えー、

ついてこれてますか(笑)?

だからアレだ、星のカービィですよ。

吸って吐くと。

で、違う種類で4発までためておけるけど、

5発溜め込むと中で寄生虫に変化して、

中を食い破り、繁殖し、やがて宿主と同化し、根ざしたものがウィスピーウッズで

空から降ってくる木の実に見えるものは変色したカービィの抜け殻で

これこそまさに輪廻転生の暗喩(あんゆ)ってどんどん話が脱線しておりますが、

まあそういうことです。(←どういうことですか。)

とにかく、戦闘も個性的であるということがお分かりいただけたと思います。

が、しかし!

今、これでもかなり言葉を選んで解説しました。

実際は違います。

実際はもっともっと、このゲームならではの専門用語が飛び交い、

聞きなれない言葉だらけでもうその言葉が何を意味しているのか

理解できないこともしばしば。

すごいです。

世界観の作りこみ、尋常じゃありません。

そのため、とっつきにくさも尋常じゃありません…。

ですが。

それを越えて、あのまるで匂いまで伝わってきそうなグラフィックと、

怪しくて独特の雰囲気を受け入れることができたら!

きっとまだ見たことの無いアドベンチャーを楽しむことが出来ると思います。

ちなみにワタシは…、

ぼんやりした雰囲気のBGMにどうしても眠気を誘発されてしまいますが(笑)、

結構この世界観はツボで、おもしろいです。

特殊な戦闘も、序盤のチュートリアルに近いダンジョンでやり方を学べるし、

何よりやっぱり、斬新なシステムのゲームはそれだけですばらしいよ!

…ということで、総評としては個性の塊のようなゲーム…ですので、

退廃的中国のグラフィックセンスにピンときたら!

もしくは、風水や陰陽といった中国ファンタジー的なフレーズにピンときたら!

遊んでみてはいかがでしょうか。

ワタシは気長に、この世界を歩いてまわりたいと思います。

ただちょっと、ナビは欲しいかな…。


クーロンズゲートレビュー第2話

前回のクーロンズゲートの続き。

…でですね、今日はどうしても書いておきたい事がありまして。

えー、クーロンズゲートですが、このゲームに限り!

攻略サイトをガンガン見ながらプレイすることを推奨致します!

※バカみたいですがもう少しお付き合いください。

ゲームのネタバレは基本的にシャットアウトして臨んできましたし、

そのスタンスは変わりません。でもこれは違う!

クーロンズゲートは、違うんです…。

あのゲームはとにかく本当に狂気じみた作りこみがあって、

ハッキリ言ってまともに会話総当りでプレイしていくと時間がかかりすぎて

世界に入り込むどころかどんどん敬遠してしまう。

ていうか街中の移動が本当にうんざりしてくる!

せっかくいいものを持っているのに、入り込めない!

ちなみにワタシは、小黒(シャオヘイ)という女の子に本を渡し、

ネットに入るためのカードを探しているところで詰まっていました。

…まさかね、道端にいるなんでもない2人組が情報をもっていたとは……。

そこから流れるように、攻略フローを見ながら進めていったんですが、

引っかからずに進めると…まるでOVAを見ているかのごとく、

しっかり内容がつかめるようになってくるんです…!

もちろん、ゲームにおいて「迷う」事自体を否定はしません。

アドベンチャーゲームは迷うのもゲームの一部です。

ただクーロンズゲートに関しては、迷う事の障害が大きすぎる…。

いい世界観なんだけど、入っていけないのはもどかしすぎる…!

ということで、ゼヒ攻略を見ながら遊んでいただきたいと思います。

…つっても、もちろん先まで見ずにね。

そりゃそうです。それを楽しむんですからね。


クーロンズゲートレビュー最終話

前代未聞の攻略閲覧推奨ゲーム「クーロンズゲート」、

ようやくクリアしました。

ラスト2時間くらい(八嶋智人さんが声やってるキャラの最後の登場シーンから)、

DVDレコーダーに撮っちゃいましたよ…。

ものっすげえ面白かった。

いやもう、後半になってくると「サイコロサイコロサイコロ…」なんてセリフとか、

普通に出てきちゃうし。

とにかく、すごいパワーのあるゲームでしたね。

細かい事とか考えるのは完全に野暮。

「そいつの正体あいつだったのかよ!!!!」っていう衝撃のラストもよかった。

あと個人的にツボだったところは、

ゲーム中に質屋が2人いるんですけど、

そのウチの1人は「ウチにはなんもない。アンタの方がいいもんもってるよ」なんて

セリフを吐くのに対して、もう1人の質屋はいろいろアイテムを仕入れてくる、

その違いは一体…あ、なーるほーどねー!!!!とか、

ゲームキッズってただのガキなのに…あ、なーるほーどねー!!!!とか、

…つかもう、結局後半の怒涛の展開は全部ツボだったわ。

ありゃすごい。ありゃすごいす。

あとねー、ゲーム内容以外で言えば、

まさか聞けると思わなかった八嶋智人さんの声優演技、

全力過ぎる青野武さんの演技、

全力過ぎる千葉繁さんの演技、

全力過ぎて爆発しそうな青野さんと千葉さんの掛け合い、

そして、あれ?この人ざぶとんと幸せを運ぶ人の声に似てるな?と思った人が、

スタッフロールでまさにその人が声やってたというサプライズ。

とかく、声優さんの熱演がすごかったです。

…と、

ベタボメしてはみたものの。

冷静に考えるとアドベンチャーゲームとしては相当難易度高いと思いますし、

普通に買った人が投げ出してしまうのは、無理ない話だと思います。

まともにこのゲームに立ち向かうのは、相当の記憶力と精神力がいるわ…。

なので、こんだけ面白かった面白かったと言いながら難ですが、

真っ向勝負しようとするなら、絶対にオススメしません(笑)。

最低条件としてはそうですね、MOTHER2のムーンサイド…よりも、

MOTHER3のキノコゾーンかな(笑)。あれで気持ち悪くなるならやめたほうがいいす。

ということで…、気になる方は、責任持てませんが、ゼヒ。