紋章1つ目。

「星の紋章入手」。

「持っていると横っ腹が痛くなるものってなーんだ? はーいはいはいはい!! 

はいうそつきくん。 紋章(盲腸)!!! そうですねよくできましたー。」

「…あそこにいる自分で自分にくだらないダジャレなぞなぞふってる彼に

正義の鉄槌をくれても良いかしらとらうまさん?」

「一向にかまいません。」

「すいませんで死た…。」

何かを吐きながらうずくまるうそつき。

「これ以上ヘンな事ほざいたら殺すわよ!!!!」

とかなんとか言いながら、一行はある孤島にそびえたつ塔にたどり着く。

「…なんてあやしいのかしら。」

ちょうど竜王の城の南に位置する塔。

実は前回竜王に出会った時に、

まずはココに行くと良いような事を言われていたのだが、一行は忘却済み。

「とりあえず入ってみよう。」

…良いのかそういう事で。良いのかそういう勇者で。

さて、

塔の中は割と入り組んでいて、モンスターも若干強くなっている模様。

ドラゴンフライによる秒殺ギャグアフロ化ファイヤーに耐えつつ、奥へ、奥へ。

「…あー。」

「どうしたのようそつき。」

「つまんないなー。」

「…何を言うのよ!」

「…だってさ、ここをのぼり詰めた所で紋章がある保障はどこにもないんでしょー?」

「えっ、それは…。」

「でも、のぼってみなくちゃしょうがないじゃないか。」

「そうは言うけどよとらうま、

そんな可能性に賭けてたらいつまでたっても見つからないぜ…。」

「う…。」

というと、やまびこの笛を取り出すうそつき。

「ちょっと、やめなさいよ!あんた、不謹慎だと思わないの!?」

「いーじゃんかよ!大体この笛もやまびこの笛っつったって全然やまびこなんか…」

バブー…

バブー…

バブー…

「…?」

「や、やまびこが…。」

「帰って来た…!?」

「おお! なおったじゃん!!」

「あ、本当だ。」

「…な、何よ、そんな笛がなおった所で、なんの意味もないじゃない!!!」

「くわまんっぽくない?」

「どこがよ!!」

しかしやまびこが帰ってくるのがうれしくなり、またことあるごとに吹く、吹く、吹く。

バーッバラバラバッババババババァー♪

バーッバラバラバッババババババァー…

「セルゲイ・ナカリャコフっぽい?」

「くわまんの次はナカリャコフ…って、

そんな天才美少年トランペッターの名前出されてどんだけの人がわかるってのよ!!!

大体それ角笛っぽいし!!!」

と色々ツッ込まれながらも道行く3人。

しかし。

「…あれ?」

階段を上った瞬間に、やまびこがかからなくなる。

3階に行くとかからなくて、2階だとかかる。

いや、2階でしかかからないと言った方が正しいか。

「…もしかして。」

「なに?とらうま。」

「もしかしてその角笛、何かに反応してやまびこが返ってくるんじゃ…。」

「…それって……。」

「紋章…とか。」
 
「!!!!!!」

そうかもしれない。

いや、その可能性に賭ける必要がある。

…しかし、しらみつぶしに2階を探しても何も見つからない。

「…ないね……。」

「いや、まだだ。広さ的にまだ部屋はあるはず。

きっと上にのぼって、それから下ってくるルートがあるはずだ。 行こう!」

駆けのぼる3人。

上り下りを繰り返していると…。

「あ!!」

「しっ、声を出すな!!」

そこには一匹のグレムリンがいた。

周りをみわたすと、階段を下っていく。

「…後をつけよう。」

コッソリ後をつけて行く。

すると。

「!!?」

「なんじゃ、若いもんたち…。」

一人のジイさんが。

「ジ、ジイさん、モンスターを見なかったか!!?」

「は? なんのことじゃ?」

「え、っつーかたしかにこの階段を…。」

「何を言ってるんじゃ…。トコロでお主たち、もしや紋章をお探しかな?

「! なぜそれを…」

「まあわしについてきなさい…。」

と、歩きはじめるジイさん。

「あ、え!? ちょ、ちょっと…」

お構いなしに歩きつづけるジイさんに翻弄されつつも、ついていく。

「…ねえ、あからさまに怪しいわね。」

「ああ…。けどさ、例えモンスターだとしても

なんらかの進展はあるだろ。それで紋章見つけられたら儲けもんだし…。」

「とにかくついていこうよ。」

「蹴り落としたらどうなるかな…。」

「やめなさいよそういうこと言うの…。」

…歩くこと数分。

「これじゃよ。」

そこには一つの宝箱が。

「…ここは……2階か。」

「やまびこがかえって来るフロア…。」

「ということは、私達の考えが当たっていればこの宝箱の中身は間違いなく…」

「いや。」

「? どうした、開けんのかね?」

「…この可能性も、ある。」

うそつきはそう言うと、宝箱を蹴り開けた。
 
「!!!」

「か、空っぽ……?」

うそつきはきびすをかえすと、ジイさんに剣を突き付けた。

「てめえ…、紋章をどこにやった!?」

「…ヒ、ヒヒ……」

「!?」
 
、ヒヒヒ、ヒャァーッハッハッハッハァ!!!!
 

貴様ラニ、貴様ラニソウ易々ト紋章ヲ渡シチャア
 

ラネエンヨォ!!!
 

マエラハァ、
 

マエラハココデンダアア
 

アアア!!!!!」

ジジイは奇声を上げると、見る見るうちにその姿をグレムリンへとうつしていく。

さらに。

「…仲間まで呼びやがったか…。」

計4体のグレムリンがオレたちを囲む。

しかし、そんなことで怖気づくようなオレらじゃない。

「上等だ、いくぜ!!!」

……

グレムリンどもを打ち倒した後に、転がっていたエンブレム。

「これが…紋章。」

星の形をした、大きな紋章。

残るは、4つ。

「よし、やまびこの笛の使い方もわかったし、このままドンドン探すぜー!!」

「ところでうそつきさあ、さっきから使ってる剣、どこで拾ったの?

「え? これ? 竜王の城。

「…これさあ。」

「うん。」

「ロトの剣だよ…。」
 
「ええええええええーッ!!!!!!!」

どうしようもなくスットコな勇者たち。

次なる紋章を探して、今日も大海を行く。

バババブー♪

「うるせえド畜生オオ!!!!!」

ムーンブルクの王女のキャラが危なくなりつつ、次回。