王子に呪いが。

「ベラヌールの町」~「へルポイの町」。

「う…、うううう………。」

「どうしたの?」

「なんか、朝から急に苦しくなって…。」

「昨日マドハンドなんて食うからだよ。」

「食ってないよそんなの!」

「食わせたもん。」

「食わせたのー!!?」

………昨日ボクらは水の街「ベラヌール」で一泊した。

本当に、ただ一泊しただけ。

もちろんマドハンドは冗談で、…いや、靴に画びょうは入れたんだけど(入れんな)、

突然とらうまが苦しみだして…。

「お医者さん、呼ぼうか?」

「いや、なんかそういうカンジじゃないんだ。病気とかじゃなくて、なんていうか…。」

「じゃあキラータイガー、呼ぶ?」

「なんでそうなっちゃうんだよ!」

「またデルコンダルの時みたいにカプつかれれば。」

「カプつかれれば?」

「面白いなあって。」

「ダメじゃん!!!!」

「…しょうがねえなあ、ちょっとひと歩きして、わかりそうなヤツ探してくるよ。」

「う、うん…。」

二人で町を散策する事にした。

いろんな人に聞いてまわったが、皆そういう病気は聞いた事が無いというカンジだ。

しかし。

とあるジイさんが、こんな話をしてくれた。

「…もしや、それは呪いかもしれぬ。」

「呪い?」

「お主たち、聞く所によるとハーゴンを倒すために旅をしているとな。

…それならばあのハーゴンのことじゃ、呪いをかけてきてもおかしくないわい…。」

呪い。

今まで目に見えるものとしか戦ってこなかったが、呪いじゃあどうしようも出来ない。

「何か…、何か打つ手は?」

「そうじゃな…。

ここよりはるか東の孤島に世界樹と呼ばれる木がある。

そこの葉を取り、煎じて飲ませればいかなる災いも振り払う事が出来るという…。」

「…よし、とにかく今は行動だ! いくぜ、にせもの!」

2人は船に飛び乗ると東へ東へと航路を取った。

と、その途中で。

「ねえ、あれ、あれ。」

「どうした?」

「あんな所にも町が…。」

そこはへルポイの町。

町が地下にあるという、一風変わった町。

「…ちょっと寄っていくか……。」

……

「キャァァーミンクのコート欲ーしーいー買ーってぇー。」

「んーどれどれしょうがないなあパパに任せなさい。」

「65000ゴールドになります。」

「いりません。」

「ちょっとなんでよ!いま任せなさいとか言ってたじゃないのよ!」

「それとこれと金は別だ。」

「ふざけないでよ!!

そんならあんたのロトグッズでも売って金つくりゃいいでしょ!!!!」

世界を揺るがす無茶を言う女を抱え、今後が心配になるうそつき。

「…もう……。あ、ちょっと、道具屋も見て行きましょうよ!」

「次から次へとこいつは…。」

「らっしぇー。」

「えーっと、毒消し草とキメラの翼と…、」

「ミンクのコート。」
 
「だからココにはねぇしあっても
 

買わねえよこんクソアマアアアァァア
 

アァァァァアアアアァァアアアア!!!!!」

「なによ!じゃーさ、

なんか珍しいもの売ってないの!!? 他では絶対買えないような物とか!!!!」

「!!?」

店の親父の眉がピクリと動く。

「い、いやだなあおじょうちゃん。そんな珍しいものなんて売ってないよ……。」

「つーかなんなのよここのメニューの空白は!!!

あー、もしかしたら、なんか隠し玉あるんでしょー!!!!」

ドキィン。

店の親父がうろたえる。

「えっ、あっ、あのねェ…。」

それに感づいたうそつき。

「…あんたさあ、なんか隠してるだろ。」

ヅキュウン。

ガクリと膝から崩れ落ちる親父。

「う…、あ…。 な、何故わかった……?」

いや、誰でもわかるよそりゃと言うのも可愛そうなので黙っておく。

「…そうかい、見破られちゃしょうがねえ。 2000ゴールドで、どうだい?」

と、オレたちに見せたのは「牢屋のカギ」

「……もらおうか。」

「まいど。」

で、ついに「牢屋のカギ」ゲット!!

と、そこへ一人の兵隊が。

「ハァ、ハァ…。き、君達、ラゴス…。ラゴスを知らないか?」

「誰よ、それ。」

「凄腕の盗人で、先日ついに捕まえたと思ったら突然牢から姿を消したんだ…。

もしも見つけたら、知らせてくれ。じゃっ。」

そういうと兵隊は走っていった。

「んー…。牢屋のカギもある事だし、ちょっとそいつの入ってた牢屋を調べてみようか。」

「いやよ。面倒くさい。」

「財宝が落ちてるかもよ。」

「行きます。」

さっそく入ってみる。

「なによ、やっぱりもぬけの殻じゃない。」

「うーん、何か手がかりは…。」

と、目の前の壁をよく見てみると。

壁のレンガがおもいっきり風になびいている。

いや、レンガ風の絵がおもいっきり風になびいている。

「…はぁー……。」

「? どうしたのうそつき。」

「いや、こんなんでいいのかなー…って。」

レンガの絵をめくる。

するとそこにはラゴスの姿があった。

「! はぅああ!! ど、どうしてココがわかったんだ!!!」

「…………………」

とりあえず斬り付けてみました。
 
「ギャハアアアアァアァア
 

アァァァ!!!!! ひ、酷い!!!!」

「うるせえ。なんかよこせ。」

「何ッ!! だっ、大盗賊のこのオレ様に向かって…」

ラリホー。

「うーんムニャムニャ…。」

グッスリ。

「こいつもう一発殴りてぇ…。」

「…そんなことより、こいつ何か持ってないのかしら…。」

何から何まであさる王女。

と、

「? 何これ。」

一つのカギが。

「まあいいわ、もらって行きましょう。」

「…ところで、にせもの。」

「何かしら?」

「オレ達、何かすげえ大事な事を忘れてるような…。」

「………」
 
「…………あーッ!!!!!!!!」

……

ココはベラヌール。

「とらうまッ!!」

とらうまの表面に紫の斑点が。

ザ☆虫の息。

「やべえ…。」

とにかく、世界樹の葉を煎じて飲ませる。

あのあと一行はさらに東にある孤島に世界樹を見つけ、

葉を拾い大急ぎで戻ってきた。

「たのむ、とらうま…。」

すると。

みるみる顔色がよくなっていく。

「ん…。」

「とらうま!!!」

「よかったあ…。」

ゆっくりと置きあがる。

「うん、みんなには心配かけて、ごめん…。もう大丈夫だから。」

道草してたなんて言えない。

「あー…っ、そうだよね、そうだよ、そうそう、元気で何よりだよー…。」

フゥ。

「よし、さっそく出発だー!」

と、靴を履いた瞬間。
 
「痛ッッッキャーーーー!!!!」

そこには忘れ去られた画びょう。

画期的画びょうオチ。

一行はまた旅に出る…。