邪神の像入手。

「テパの村」~「邪神の像入手」。

「…!!」

血のワインが入ったグラスを握りつぶす。

握りつぶしたその手は、怒りに震えていた。

「一体何だというのだ!! 我が呪いすらも打ち破る者が今この世に存在する?

ハッ、たわけたことを抜かすな!!!」

彼の名はハーゴン。

この世を今まさに恐怖の世界へ至らさんとする、悪の神官。

「しかしながらハーゴン様、3人は着々と力をつけ、じきこの神殿にも…」

「3人?」

「はい、ローレシアの王子と、サマルトリアの王子と、ムーンブルクの王女

ございます。」

「…?」

「? ハ、ハーゴン様、いかがなされましたか…?」

「なぜムーンブルクの王女がおるのだ…?」

「は?」

「ムーンブルクの城はすでに陥落したはず!! …なのに、なのになぜ生きておる?

貴様ら、王女の死体は確認したんだろうなッ!!!!」

「はっ、…それは……」

「確認していないというのか!!

…貴様ら、この大神官ハーゴンをなめるなよ!!!!!!!」

その刹那、報告した兵士が炎に包まれる。

「ギャアァァ……」

兵士は灰になることすらかなわず、その場から消え去った。

「…まあ、じきじきにこの私が手を下すのも悪くない。

せいぜい楽しませてくれたまえ…。 クックック…………。」

……

…その頃。

「こんなところにも村があったとはねー。」

ここはテパの村。

川の上流に位置するこの町に、何か情報が無いかとおもい訪れた3人。

「ていうかこんな辺境の村なんか来たってどうせ名産とかいってどこでも売ってるような

饅頭ばっかりですげえ飽き飽きしててその上いまだにプリクラありますとか

豪快にチラシ貼ってあってもちろんゲーセンに入ってるゲームなんて

ぜーんぶストIIターボとかアルカノイドとかなんかすげえ今見ると微妙なゲーム満載で

それはそれでちょこっとやりたくなってるわりにはメローイエローだのタブクリアだの

自販機に入っててなんだか嬉しくなったりコスモスっていうおもちゃの自販機とかもあって

田舎って最高。

「最高なんじゃん。」

「うん。」

「…あんたたち、時代背景もうすこし考えなさいね……。」

なんて話をしているうち、村外れに大きい建物を発見。

「? …あれは、なんですか?」

「ああ、あれは水門といってね、川の水をせき止めてるんだよ。」

「はあ。」

「…しかし、何者かがあの水門のカギを盗んでしまって、

まったく水の調節が出来ないんです。

おかげで下流は干上がってしまい、満月の塔にも行くことが出来なくなって…。」

「満月の塔?」

「はい、あそこに塔が見えますでしょ。あれです。

なんでも、浅瀬を水で満たすことの出来るアイテムが眠っているとか…。」
 
「!!!」

「…そうか、東にある浅瀬で囲まれた洞窟へはそれを使って入るのか…。」

「とりあえず水門に行ってみましょう。」

「…これかー。」

「ずいぶんと変な形をしたカギ穴ねー…、

……?」

「どうした、にせもの。」

「もしかしてこのカギじゃ…。」

そういって取り出したのはあのラゴスの体から出てきた一つのカギ。

「それだ!!」

さっそく入れてみると、カギはスッと奥まで入った。

そのまままわし、門を開放する。

ドドドド…という大音響とともに門は開き、大量の水が下流に向かって流れ込んだ。

干上がった川も潤いを取り戻し、満月の塔までの水路が完成したのである。

「…あ、ありがとうございます!村としてもうれしい限りで…」

「あの、いや、これくらいなんてことないですわ。」

照れながら答えるにせもの。

金目のものが無いかとラゴスの牢に入り、倒れたラゴスから奪ってきたもの

こんなところで役に立つなんて…。

まさかこの村にきたら売っ払おうなんて考えてたことが知れたら…。

「あーでもそれ実は盗賊から金目の」

ドグッ

「ゴふァ」

「な、なんでもないですのよホホホホホホ! さあ、いきましょう!」

なぜうそつきが今ブローを食らったのか。

わかるはずも無いとらうま。

「ねえなんで今ブロー」

ボグッ

「グはッ」

「オ、オホホホホホホホ、それではー♪」

倒れた二人を引きずり、一行は満月の塔へ。

「さあ! ピシッとしなさいピシッと!」

「ヘンだな、村での記憶が…」

いまいちよくわからないまま3人は塔をのぼりつめる。

そして。

「あれだっ!!」

3人は神々しく光る一つの石を手にした。

それこそ「月のかけら」

「よし、さっそくあの浅瀬に囲まれた洞窟へ行くぞー!」

一行は東の大海へ。

3人は洞窟の周りの浅瀬で「月のかけら」を使う。

すると見る見るうちに海水が満ち、洞窟の周りを取り囲んでいた浅瀬が無くなって行く。

「すごい…。」

「よし、行くぞ!」

中に入ると、そこは溶岩だらけ。

「海底火山かなんかなのかな…。」

「あちー。」

「アチー。」

「ほら、魔物もかなりの熱さに参ってるね。」

いうなり魔物が僕らに襲いかかってきたヨ☆

「だーこの! クソ熱いときに!!」

「魔物は元気ねー…。」

押し寄せる熱気とダメージゾーンに耐えつつ、奥地へ奥地へ。

すると。

中に祭壇のような物があり、怪しげな像が祭られていた。

大きな火を灯し、神官が2人祈りを捧げている。

「…おい。」

「!! ニ、ニンゲンカッ!!!」

「てめえら…、
 
このクソ熱いところで火なんて使うなあああああああああアアアあああああ
 
アあぁ
アアああアアアアああ
 
あAAaaaaAaGGgGHHHhhhhHhH
 
hhHhhhhh!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ヒ、ヒィィィィ!!!!」

2人の神官を打ち倒し、その異形の像を手に取る。

「紋章…ではないようだな。」

「けれど、こんなところで大事に崇められていたんだ、きっとなんかあるよ。」

「そうね、持って帰りましょう。」

そのままベラヌールへ帰還。

宿屋での夜。

「あー、汗だくだっての…。」

「本当…。」

「さて、これからどうしようか……。」

「まずこの像が一体なんなのかってのが知りたいね…。

あと、まだカギを使って入れるところを調べ尽くしてないし…。」

「そうだな。まあ、とりあえず明日だ。明日。お休みー。」

……


 
「バ、バカな!!?」

「ハーゴン様、落ち着いて!」

「こ、こんなやつらが紋章をもうすでに3つも集めてなおかつ邪神の像も入手していると!!?

ふざけるな!!! 私は断じて認めん!!! 認めんぞ!!!

ていうかあの王女、女の皮をかぶった犯罪者じゃねえか!!!!

だいたいメローイエローは良いとしてタブクリアなんて色が透明なダイエットコーラじゃ…」

「ハーゴン様、落ち着いて!落ち着いて!」

「え?ああ、ああ…。

それにしてもあんな連中に愛しい私の部下が…。

…もう許さぬ。

今のうちにせいぜいいきがっておくが良い…。

この手で絶望を味あわせてやる! フ、フハハハハハハハ……」

ハーゴンとの対決の日は、近い。

かも。