「水の紋章入手」。
「はいみんな注目ー。」
「はーい。」
「今日からはまだ見ぬ紋章を見つけに片っぱしからドア開けて開けて
もうなんかドアというドアを全開にして影でこっそりあいつドアフェチ?みたいな
噂がささやかれんばかりのツアー、題して!」
「題して?」
「ドアドアツアー。」
「普通だな。」
「普通ね。」
「むしろエニックスつながりだね。」
「ごめん。」
ということでベラヌールに滞在していた3人、改めて紋章を見つける旅に。
……
…
「さあ開けるぞー。ドアガンガン開けるぞー。」
「趣旨違う。」
「ごめん。」
町を巡ってはドアを開ける。
金、銀、牢屋。
ガチャリバタンガチャリバタンガチャリバタン。
……
…
「だーちきしょォー!!!」
「落ち着いてうそつき!」
「だってよ!だってよ!もういろんな町めぐってムーンペタまで来ちまったっての!!!!」
「いや、だってしょうがないじゃんか…。そうかんたんに紋章は見つからないよ。
それにもっと言えば、紋章が町の中にまだ隠されている可能性は
決して100パーセントじゃないし。」
「何!何ですと!全部の町まわっても無いかもしんないって!!?」
「うん。」
「死のう。」
「ちょっとちょっと待ってようそつき!そんなに安易に死ぬ勇者がいるか!」
「だって!だって!」
「ほらとりあえずここの牢屋も開けようよ。」
「うー…。」
ガチャリ。
「あっ。」
そこには。
「キキ?」
魔物。
「うわー!!」
「キシャァー!!!」
モンスターは容赦なく火炎を吐き出す。
「チィ、こうなったら…」
「こうなったら?」
「必殺!とらうまバリアー!!!!」
「!!? う、うわあああああああ!!!!!!!!!」
ゴハァ。
……
…
「…勝った……。」
1名アフロ。
「危なかったわね……。」
「! だ、大丈夫かとらうま!!!」
「……もうやだ………………こんなパターンばっかり……………」
「しかしビックリしたなあ……、 …ん?」
牢屋の片隅にきらりと光るものが。
それは、水滴をかたどったエンブレム。
そう、それこそ「水の紋章」。
「あー!!!」
「よし、これで4っつ目ね!」
「いいねいいね、さあ、次へ行こう!」
……
…
しかし。
「…全部の町をまわっても無かったなあ…。」
「そうね…。」
「あと、なんかある?重要なアイテムがありそうなところとか…。」
「ほこら…とか?」
「あーなるほど、ほこら………、ん?」
「どうしたの?うそつき。」
「あー!まだ行ってないトコあった!!!!」
「ど、どこ?」
「ホラ!ココ!」
そういってうそつきは世界地図を広げ、一点を指差す。
そこはローレシアやサマルトリアよりさらに北東に位置する、まだ見ぬほこら。
「行くしかないでしょ!」
3人は意気揚揚と北東にあるほこらへ。
……
…
「あ、こんにちは。」
中には一人の神官が。
「…きみたち、紋章はもう、あつめたのかな?」
「! ど、どうしてそれを…。」
「神はすべてお見通しだ。…そうか、紋章はまだ集め終わってないようだな。
フム……。
…話は変わるが、きみたち、邪神の像はもう手に入れたのか?」
「邪神の…像?」
「そうだ。ハーゴンのいる大地とこの大地を結ぶいわばカギのような存在。
それが邪神の像だ。」
…と、その時、とらうまが気付く。
「…これ?」
とらうまはおもむろに海底の洞窟で手に入れた像を見せる。
「! …ああ、間違いない。それこそ邪神の像だ。」
「!!!」
「これがあれば…、ハーゴンの城へたどり着けるのか?」
「それだけでは無理だ。…いや、たどり着くことは出来るが、
ハーゴンのまやかしを破ることは不可能だ。」
「じゃあ、どうすれば…」
「そのためにきみたちは紋章を集めているのだよ。
いいか、勇者の子孫たち。
ハーゴンのまやかしを打ち破るには、精霊ルビスの加護が必要だ。」
「精霊、ルビス…?」
「そうだ。そして、ルビスの力を授かるためにはその紋章がどうしても必要なのだ。
紋章を集めし時こそ、ルビスはお前たちを認め、力を貸してくれる。」
「…けど、最後の紋章が……。」
「最後の紋章…。命の紋章のことだな。
案ずるな、大丈夫だ。
いいか、今は先へ進むことを考えるのだ。
ベラヌールの旅のトビラからロンダルキアへ飛べ。
そこの沼地でその邪神の像を掲げるのだ。さすれば、必ず道は開ける。」
「なるほど…ね。
そうだな、とにかく今は出来ることをやろう。」
「そうね…。ありがとう、神官様。」
「頑張るのだ、勇者たち。精霊ルビスの加護のあらんことを…。」
……
…
「思わぬ収穫だったな。」
「そうだね、邪神の像のことも聞けたし、今は先へ進め…か。」
「よーし、ハーゴンとの対決はもうすぐだ、まずはロンダルキアへっ!!」
「行こう!!!」
「オー!!!!」
3人は一路ベラヌールへ。
平和を取り戻すために。ハーゴンを倒すために。