さんまの名探偵

実は。

芸能人の出てくるゲームってのは結構あるわけで。

どれもがなーんか中途半端で。

今は技術力の進歩でアイドル写真集っぽい内容の、

もうそれはゲームじゃないじゃんってなゲームも出てたりしますが、

それはなんかゲーム機で見るなよ、みたいな。パソコンにしなよ、みたいな。

そうするとますますなんかダメだよねーって。

…もちろんココで言う「芸能人のゲーム」っていうのは、

芸能人の名前がアタマに冠してあるゲームのことです。

芸能人が出ているゲームって事ではないですよ。

「街」とかそういうのは役者さんが出てるだけだから違うってことね。

…そんな中。

どうもこの会社だけが本腰入れて芸能人ゲー作ってるような気がするのですよ。

ナムコ。

ナムコね。

何でそう思うかっていうと、

…いや別段そんなにタイトル出してるわけじゃないんだけど、

すんごい存在感あるのよ。

中でもコイツ。

「さんまの名探偵」。

当時全盛だった吉本のお笑い芸人さんたちがかなり出てくる推理アドベンチャーで、

主人公は明石家さんまと一緒に、

桂文珍が殺された謎を追って推理を進めていきます。

ということで今回は芸能人ゲームの立役者「さんまの名探偵」をご紹介。

で。

まずこのゲームがなんでイチオシなのかというと、

「なんかしっかりしている所」にあります。

例えば、

捜査するときのコマンドがアイコンになってて分かりやすい。

これはこの手のゲームをやったことのない人にとってはウレシイんじゃないでしょうか。

推理アドベンチャーというのはかなり遊ぶ人を選ぶのでこれはステキな配慮といえます。

そして、ファミコンのくせに絵がきれい。

これは画面を見ていただければ分かると思うんですが、

ファミコンの少ない色数でかなり頑張ってます。

そしてもっとすごいのはミニゲームの数々。

やっさんとの競艇競争や、エアロビ勝負や、

ギャラクシアンの完パク「ギャラクシガニ」(いや別にナムコだからいいんだけど)など、

これらのミニゲームが捜査を単調にさせることなく、

プレイヤーを飽きさせずにゲームを進める配慮がなされています。

それと、このゲームは主人公をマップ上で移動させて推理を進めていくんですが、

推理が進んでいくと行ける場所が目に見えて増えていくんですよ。

…結構あるじゃないですか、「移動」コマンドを選ぶと行き先が出てきて、

ぱっと移動しちゃうゲーム。

でもなんかそれだと位置関係もわかんないし何よりわかりにくいんですよね。

けれどマップを採用したことによって自分の推理進行状況が目に見えて分かる。

これも推理アドベンチャー初心者にとってはウレシイ配慮。

…てことはですよ。

実はこのゲーム、

推理アドベンチャーの新しい形を開拓したと言っても過言ではないのですよ。

うわあ。

なんだよすげえじゃん「さんまの名探偵」。

でも実際その通りで、これらの良い点をみんなの良く知っている芸能人とあわせることで

この上なく推理アドベンチャーをとっつきやすいものにしてるんですよね。

今たくさんのアドベンチャーゲームが出てきていますが、

このインターフェースを超えるようなゲームは無いんじゃないのかって思えるほど。

褒め過ぎか。いやそんなことはない。

そんで、しっかり推理アドベンチャーしてるんですよ。

やってることはアホで、たこ焼きとペンダントを物々交換しちゃうやつとかいますが、

それはもう芸人ですからって事で。

でもまあそんなこともすべてひっくるめてこのゲームは面白いです。

っつーか今回このレビューするのに

あーなんかすげえバカにしまくって終わろうかなあとか考えてましたが全然ダメだわ。

本当に、

推理アドベンチャーとしても楽しめるし、

ミニゲームとかのアミューズメント要素も入ってるし、

絵もきれいだし、

オチもワリとひねってあると思うし、

細かいギャグも入ってるし、

ビートたけしもこっそり出てくるしで、

普通にオススメです。

ごめん今回普通で(笑)。

でもナムコはやっぱり良いなあと思いましたよ。改めて。

…さて、

同社の芸能人ゲームでもうひとつすごいゲームがあります。

「ラサール石井のチャイルズクエスト」。

チャイルズという、当時のバラエティアイドルが主人公のゲームで、

主人公はチャイルズのマネージャーとなって日本中を回り、

チャイルズをトップアイドルにするというRPGです。

ちなみにチャイルズの中の1人は皆さんご存知の磯野貴理子です。

どうでもいいんですけど。

…このゲームはすごいですよ。

なんたって冒険途中でトイレにいきたくなるんですから…。

うわあ。

なんだそれ。

でも良く考えたら当たり前かあ。人間だもんねえ。

なんてゲームがナムコから出てることに驚愕。

ああ、そうそうそれと、

おそらく続編で「ナイナイの迷探偵」というゲームがプレステで出ていますが、

こちらはまったくの別物だそうです。

私は見たことありませんが。

もともと比べるようなゲームじゃないっていう。

「ナイナイの迷探偵」はどっちかっつーと芸人さんとのやり取りを楽しむゲームなんだそうです。

がっかり。

がっかりだよ。

…ということでですね、

たまに暴走する、そんなスタンスがステキなナムコのこの一本。

「推理アドベンチャーなんてやらねえよ」という、まさにあなたにオススメ。

出てくる芸能人知らないって言うな。

世代違うって言うな。