風のマントで空へ。

「風のマント入手」~「ドラゴンの角」。

ついに3人そろった。

「3人って良いなあ。」

「ねえ。なんかこうまとまりがあってさあ。」

「パーティって感じがするわね。」

「太陽戦隊サンバルカンってカンジだな。」

「それは賛同しかねる。」

「私も。」

泣きべそをかくうそつきを尻目に一行は「ドラゴンの角」へ。

「特撮面白いのに…。」

グズるうそつきにギラを唱え、教会のあるほこらを抜けて、ついに到着。

川を隔てて、こちらと向こう側に同じような塔。これが「ドラゴンの角」。

しかし、先に行きたいが周囲を見渡しても橋すらかかっていない。

「…高いなー。」

「あ、みてみて、向こうにも同じような塔があるわね。」

「べつに橋も渡してないし、のぼった所でどうしようもないか…。」

「情報を聞き漏らしてるかもしれないし…。いったん戻りましょうか? ねえうそつき?」

「…分かった!!!」

「えっ、何!? 何が分かったの!?」

「サンバルカンじゃなくて特警ウインスペクターならどうよ!!?」

そしてムーンペタへ。

「こっ、こんな悲惨な死体は初めてじゃ…!! 一体どんな魔物に!!?」

「さあ。」

「さあ。」

なぜ自分が教会にいるのかわからないうそつきに

「いやあさっきハーゴンが2体出現して大変だったよ」と適当に話し、

改めて情報収集。

すると、半裸でスキンヘッドでクマヒゲのオヤジから有力情報。

「どこかの塔に空を少しだけ飛べるマントがあるらしいぜ。」

これだ。飛べばいいんだ。

よし、まずはこいつを見つけ出そう!

しかし「ドラゴンの角」までの間には何も無い。

という事はここは戻るのが得策であろう。

行きは西の海岸沿いに来たので今度は東海岸のそばにつらなる山脈沿いを歩く。

(つまりこの時点では山脈がジャマして海岸沿いに歩けないのです。)

すると山脈の切れ目からさらに海岸沿いにでれることが判明。

今度は南下。

ズンズン歩くと、そこには意味ありげな塔が。

「あれか!」

勢い良く突入し、階段を駆け上がる。

「オレたちのジャマはさせない!」

あらゆる敵をなぎ倒し、3人は塔をのぼる。

「…うそつきさあ、教会で復活してからなんか変わったね。」

「うん…。なんか、すっごく頼りになるし、やる気が全然違うし…。」

「どうしたんだよみんな! ほら、もうすぐだぜ!」

「…う、うん……。」

ややもすると、こじんまりとした部屋にでた。

その部屋の中央にある、なんともいえない、フシギなマント。

これこそが、「風のマント」。

「これか! よし、さっそくドラゴンの角へ行こう!!」

「え!? 休まないで行くの!!?」

「もちろんじゃないか諸君!! 戦士に休息は無いのさ!!

さあ、あの夕日に向かって走ろう!!! ああ青春 so long !!!!」

「なんか泣いてるようそつき…。」

「ええ…。ていうかどこ向いて泣いてるのかしら…。」

いつのまにかラガーシャツを着ているうそつき。

二人はうそつきを「やっちゃったかな」という目で見ているが、

うそつきの目は純心そのものだ。

もしや。

「…健作かしら……。」

「…真司かもよ……。」
 
「行こうぜみんなァ!!!」

「ヒーロー -Holding Out For a Hero-」
歌:麻倉未稀(キング・レコードK07S-653)
作詞・作曲:Jim Steiman,Dean pichford、
訳詞:売野雅勇、編曲:渡辺博也

愛は奇蹟を信じる力よ
孤独が魂(こころ) 閉じ込めても
ひとりきりじゃないよと あなた
愛を口移しに 教えてあげたい

You need a hero
胸に眠るヒーロー 揺り起こせ
生命(いのち)より 重い夢を 抱きしめて走れよ

You need a hero
つかまえてよ ヒーローその手で
夢をもし あきらめたら
ただの残骸(ぬけがら)だよ

「真司の方だったか…。」

気がつくとすでに「ドラゴンの角」をのぼり切っていた。

敵があまりの爽やかさに気持ち悪がって寄ってこない。

そのまま大の字に寝転ぶ3人。

「どうだみんな!! 一生懸命走ると気持ち良いだろー!!?」

「え…、ええ…。」

「どうだみんな!バイクなんかやめて、先生と一緒にラグビーやろう!!!」

「バイク!?」

「そして全国制覇だ!!」

「全国!!?」

…ここまでだ。

「許せ」

「キャウン」

落としてみました。

「これもヒドイ死体じゃて…。 一体どんな目にあったんじゃ!!?」

「さあ。」

「さあ。」

「…ん、んん、オレは一体…。」

「ああよかったわうそつき。気がついて。…悪い夢を見ていたのよ。あなた。」

「…ああ。そうらしいな…。

お前たちに突き落とされるような夢見て…。ハハ、まさかな…。」

「…さあ、あ、あらためて出発だ!」

「なんかまだ首のあたりが……。」

また「ドラゴンの角」へやって来た一行。

最上階へのぼりつめ、いざ。

うそつきがマントを装備し、二人の手をしっかりと握る。

「…いくぜ!」

 

ボクたちは跳んだ。

 

みんな怖くて目をつぶっていたけど、頑張って目をあけた。

そこには。

ボクたちが見たこともない、景色。

飛んでる。

今まで鳥にしか出来ないと思っていたのに。

間違いなく飛んでる。

飛べたんだ!

「うわあ…。」

「すごい!すごいよ!」

「素敵…。」

飛んでる時間は短かった。

けれど、言いようの無い感動がそこにはあった。

「…このきれいな空を、ハーゴンなんかに渡しちゃいけない…。」

「さあ、行こう!」

「ええ!」

ボクたちはまた歩き出した。

次なる町、「ルプガナ」を目指して。

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