言わずと知れたジャンル→「クソゲー」というゲームです。
自分からクソゲーといういさぎよさ。その意気や良し。
このゲームの総合プロデュースはあの電気グルーヴ。
マジでゲーム大好きなピエール瀧と、
「甲殻機動隊」などのゲームミュージックを手がけたことのある石野卓球と、
ゲーム会社に勤めていたことがある砂原良徳
(通称まりん。現在は電気グルーヴを脱退。)の3人が
真のクソゲーを作るために立ち上がった。そんなカンジ。
その段階で大幅に間違っている気がしないでもないですが、まあとにかく
ものすごいコンセプトで制作されているわけでございます。
ゲームの目的は基本的には無いというか、
「勝手に遊べ」的な空気が漂っているのですが、あえていうならば
ミニゲームでお金を集め、そのお金でガチャガチャをし、そこで得られた「音ネタ」を
コレクションし、さらにはその音ネタを使って「ジタク」と呼ばれるところで
簡単なサウンドミキシングを楽しんじゃおう、というもの。
まあ普通の人ならば音ネタのコンプリートに精を出すことと思います。
…さて、まずは資金調達。
「バイトジゴク」にてミニゲームを選び、
それらをこなすことによってお金が手に入ります。
そのミニゲームが類まれなるクソゲー。
ひたすら気の済むまでボールペンにキャップをはめる「ボールペンコウジョウ」、
たちの悪いババアの邪魔を見きりつつタイミング良くマキを割り続ける「薪割り」、
マリオにクリソツなキャラを使ってチキンレースをする「崖レース」、
ゲップの順番を覚えて同じようにゲップする「クサイモン」、
勝手に前に進むジジイを操作して車をよけつつ道路を横断させる「キノコorDIE」、
前を通る生き物の中から人間の人数だけをカウントする「交通量調査」、
頭の悪い合成写真を見てそこに霊がいるかどうか判定する「心霊写真鑑定人」、
ちょっとときめくだけで大量に金が入る「ときめいていいとも!」と、
これらクソゲーをやらないことには金が入らないのでへこみます。
さらにお金がたまっても音ネタのゲット方法は「ガチャガチャ」なので、
完全に運まかせ。モチはずれもあり。キンけしとか、ミニトランプとか。
さらに音ネタのダブりもダメ。さらにへこみます。
んで、音ネタをコンプリートして、何かご褒美がもらえるのかと思いきや、
全然意味無い水木しげるの絵や、里中満智子の絵が出てきて、おしまい。
まさに、クソゲー。
これぞ、クソゲー。
クソゲーオブザイヤー。
…ですが。
私が思うに「クソゲー」っていうのはあんまりにもあんまりで
「遊んでられない」ゲームや、操作性やシステムなどがヘッポコで
「遊べない」ゲームの事を言うんだと思うんですけども、
このゲームはちょっと不思議で、
クソゲーを遊ぶための操作性なんかがメチャメチャしっかりしてるんですよ。
クソゲーをやるとストレスたまるハズなのに、
クソゲーをストレスを感じさせず遊ばせるという。
クソゲーなのに面白い。基本がしっかりしてるから。
ローディング画面ひとつ取っても、
プレイヤーをあきさせない細かい笑いとかが入ってたりして、
ホントに細部までしっかり作ってある感じです。
そして集めた音ネタを使ってのサウンドミキシング。
さすが日本を代表するテクノミュージシャン。
見た目は簡単な作りながらもかなり楽しめます。
はじめは集めた音ネタをランダムに組み合わせるだけでも
おもしろいテクノのフレーズができ、さらにエフェクトを入れたりすれば
それだけでにわかテクノミュージックが作れます。
マジであなどれません。
他にもランダムでどうでも良い情報をくれたりする「トモダチ」や、
バックで不安な音を鳴り響きかせ、店員のお姉さんが血を吐きつつ
セーブなどを行ってくれる「セーブデパート」など、
アンバランスかつ意味不明なイベントが盛りだくさんです。
遊べる「クソゲー」、いかがなもんでしょ。