観てる側が沈黙

昨日、「羊たちの沈黙」を観ました。

名前は知らなくても顔に蛾が止まってるジャケットは見たことある人多いと思う。

名作サイコホラーですが、どうにも怖そうで観た事無くてなあ…。

けどあのー、最近じわじわとホラー耐性が上がってきてまして、

特に公開当時かなり表現で騒がれた「SAW」を観たおかげで、

サイコスリラーはもうほとんどいけんじゃねーか?

つーことで、意を決して。

…ちなみにどうしてもパニックホラーは受け付けません。

一度パニックホラーの代名詞ともいうべき

「13日の金曜日」を観ようとも思ったんですが、いまひとつ食指が動かなくて…。

特に後期のSAWを観て思ったんですけど、

自分にとって、ただ人が死ぬというのはまったく面白くないんですよね…。

いかに映像としての恐怖を感じさせるかより、

なぜ、そうやって死んだのか、その過程に知的な何かがないと…みたいな?

まあごたくを並べてますが要するに怖がりという事です(笑)。

でね。

人を食べるレクター博士っていうのが出て来るってのは知ってたんですけど、

まさか冒頭から捕まっているとは。

てっきりレクター博士を捕まえる話だと思ってたけど、全然違うのね…。

話としては、今現在起きている異常な連続殺人事件があり、

優秀な精神科医であった牢の中のレクター博士に

その犯人が誰なのかというのを聞き出す…というのが大枠の内容。

これがねー…。本当に観てよかった。

まず主人公の新米FBI捜査官クラリスをジョディ・フォスターが演じてるんですけど、

この映画が怖いのはあの人のせい。

それくらいすごい演技をしてて、観る人の心臓をキリキリキリキリさせる。

なんかねー、共感出来ちゃうんだよね。

新米で経験も少ないけど気丈にやってきて、大変なんだろうなーみたいな部分が、

観てるうちシンクロしてきちゃうんだよ。特にラストの戦闘シーン。あれはいかん。

「不安」っていう感情を見事に演じてるんだよなあ…。すんごい。

そして、アンソニー・ホプキンスが演じる、共感できない怖さのあるレクター博士。

あれなんなんだろ、全部見透かしてる感のある演技。

世の中にいろんな博士がいますけど、一番頭よさそうです(笑)。

IPS細胞とかとっくに知ってるし、みたいな。それはちょっと違うか…。

とにかくそいつがさ、すごすぎて。

冒頭でレクター博士がクラリスに協力するきっかけとなる

ちょっとした出来事が起こるんですけど、

それを起こした、レクター博士の隣に収監されている男がね、自殺しちゃうんですよ。

その原因は、レクター博士に言葉でなじられて発狂したから…。

…言葉で人を殺すって、すごすぎるよね……。

それくらい頭のキレるレクター博士と、クラリスとのやりとり。

ものっすごい面白いです。

…これ以上は書けないので、結末はゼヒ観ていただきたいんですが、

考えオチみたいなふわっとした終わり方じゃなく、結構スッキリします。

あとあのー、ちゃんとエンターテイメントしてるんですよね。

すごくうまいなあと思うのは、

レクター博士に敵対するヤツは、こっちも見ててイラッとする非礼なヤツなので、

レクター博士は異常な殺人鬼であるはずなのに、

なんかちょっとレクター博士がんばれ?みたいな、謎の感覚に陥ってしまう。

ああいうのもエンターテイメント性を高めてるひとつの要素なんだと思います。

こりゃ…本当に傑作だというほかないです。

血と裸は余裕で出るけど、

グロさはあんま無い(そもそも人肉を食べる直接的なシーンが無い)ので、

もしよかったら観てみてくださいまし。

はあ…。「セブン」に匹敵する面白さだったわ…。


明日は定期的に訪れる泊り込みの仕事です。

空いた時間は3DSかタブレットで遊んでいることでしょう…。

ああそうそう、やるかやらないかはまあ置いといて、

とりあえず確保。Amazonで不安になるほど安かったので。

ところで、なんで3作目はこんなシールベタベタ貼ってあんの…。

里見の謎じゃないんだから…。