ゴジラ。です。
ゴジラ知らない人はいないですよね。
東宝が誇る怪獣映画シリーズ。
そのゴジラが主人公のアクションゲーム。
しかし。
並みのアクションゲームではありません。
せっかくゴジラを題材にするのですから、
ゴジラの魅力を余すところなく追求しなくてはなりません。
そうでしょう、素材を活かすのはゲームに限らずなんだって同じですから。
活かし過ぎちゃったけどな。
ということでゴジラ・ジェネレーションズのご紹介。
このゲーム、もちろん主役はゴジラです。
プレイヤーはゴジラとなり、日本の各都市を壊滅させるのが目的です。
ああ、とても面白そうですね。
しかしこの1行だけですでに痛烈な落とし穴があるのでオドロキです。
プレイヤーはゴジラとなり、東京の各都市を壊滅させるのが目的。
ということは。
それ以外何もないということ。
つまり、
ただ街壊して終わりなのです。
ゴジラ歩かせて街破壊して終わり。
…なんだろう。
この胸にぽっかりあいた空洞はなんだろう。
切ない、この気持ち。
っていうか辛い。
ヤバ過ぎです。
しかもそれに追い討ちをかけるような大問題。
その大問題とは、
主人公がゴジラであること。
ええええええ!!??
…だってね、よく考えてくださいよ。
主人公はゴジラですよ。
よーく思い浮かべてください。
皆さん、一度くらいゴジラの映画を見たことがあるでしょう。
なければCMとかでもいいですよ。
そのゴジラが動いてるシーンをじっくり思い浮かべてください。
あることに気がつきませんか。
こいつ絶対ゲームに不向きだっていう要素が。
…分かりませんか。
じゃあ、じゃあ、ウルトラマンと比べてみてください。
ウルトラマンとゴジラ、どっちも巨大で、どっちも怪獣と戦ってて、
どっちも光線技使えるけど、 決定的な違いがあるでしょ。
分かんないですか。
…じゃあもうハッキリ言います。
どう考えてもゴジラ、トロくさいでしょ。
動きトロくさいでしょ。
登場シーンだけでも比べてみなさいな。
ウルトラマンが颯爽と空中から飛び降りてくるのに対して、
ゴジラってすげえまったりと「呼んだ?」みたいな感じで
海からのったり出てくるでしょ。
「オレの時代、来た?」みたいな。
「また伝説作っちゃうよ?」みたいな。
そう、つまり、
アクションゲームを構成する要素として大事なウェイトを占める
「爽快感」、「スピード感」の様なものが皆無なんですよ。
ゴジラ自体に。
ゴジラ自体そういうキャラなんだからもう手の施しようがないんですよ。
すげえ機敏に動くゴジラを作ってしまうのはナンセンスだし。
つまり、
ゴジラでゲームを作った時点で負けなんですよ。
いや、言っておきますけど映画の「ゴジラ」がダメっつってんじゃないですよ。
逆に映画のゴジラはああいうスタンスでないといけないんですよ。
ただ、ゲームには向いてないだろっていう話。
で、
ココまでを総括してみると「まったり怪獣珍道中☆」てな雰囲気のゲームが
皆さんの中に渦巻いているかと思いますが、
その通りです。
フォロー無しです。
街があって、
そこをまったりと巨大怪獣が歩いて、
歩いた後は焼野原で、
光線吐くのも尻尾振るのも雄叫び上げるのも
ワンテンポ置いてからじゃないと出来なくて、
敵はヘリや戦車のみで、
チクチク攻撃されて、
そのたびにイヤイヤってゴジラうなだれて、
あっさり戦車踏まれて、
またビル壊して…という12分間。
12分間!!!!
長げえええぇええええええ!!!!!!
…なぜ12分間かというと、
12分間のうちにどれだけ街を壊せるかというゲーム内容になっているため、
街を草木一本生えていない焼野原にするまでは次のステージに進めないのです。
時間切れか、100パーセント壊すか、またはエリア外(街の外)に逃げ出すか。
この3つ。
怪獣王たるもの逃げ出すようなことは出来ませんから、
12分間うろうろしなければなりません。
つーか12分間で壊しきるのはマジで難しいです。
だってこいつトロいんだもん。
大体映画のゴジラだって民家の一軒一軒をきれいに踏み潰すような
極悪なんだか几帳面なんだかよくわからない行動には出ませんし。
ねえ。
まあ要は、失敗です。このゲーム。
ドリキャスのポリゴンはたしかにキレイ。
ゴジラのモーションも凝ってると思う。
けど。
ゲーム的にまったりし過ぎです。
福岡ドームをブチ壊したあたりで飽きました。
視点切り替えもウザいし。
…でもゴジラファンならまだ遊べるかも。
……いやゴジラファンならなおさらか…………。
まあとにかく、
こういうゲームもあるんだということでひとつ参考になさってください。
がんばれ、ゴジラ。