「ドスッ」
「ギャアァアアー!!!!」
吉田の目に毒矢が突き刺さる。
「大丈夫か、吉田、吉田!!!」
「いやあ、いやああああああ!!!」
あまりに突然の出来事が彼女を襲い、
吉田は狂ったように泣き叫ぶ。
ライヴを終えた後の、
ホールの廊下での事件だった。
最初は中村、西川、
いや、
当の吉田でさえもその状況をつかめずにいた。
痛みと衝撃でパニックになる吉田。
我にかえった西川が慌てて矢を抜こうとするが、
…遅かった。
毒矢と思われていたそれは、瞬く間に大輪の花を咲かせる。
「こ、これは…」
そう、
それは毒矢ではなかった。
植物。
まぎれもない植物。
その名も無き植物は、ゆっくりと、確実に、吉田の養分を吸い取っていく。
吉田の体に根を張り、少しずつ、少しずつ…。
「あ…、がっ…」
「吉田!吉田ぁー!!!!」
なんとか吉田を助け出したい。
このまま吉田を死なせてはいけない。
だがそんな思いをよそに、吉田の体は着実に蝕まれていく。
「どうしたらいいんだ、どうしたら…」
そこへ、
吉田の異常を聞きつけたマネージャーが現われる。
「ど、どうしたんですか吉田さん!!? …こ、これは!」
「どうした? いったい何なんだこれは!!?」
「デスゴールド…。」
「デスゴールド!!?」
「はい…。聞いたことがあります。
なんでもインドネシアの奥地にしか咲かない花で、
人の体液を養分として生きる、伝説の人食い花…」
「そ、それで、吉田はどうなるんだ!!?」
「このままでは…恐らく……」
言いかけて、首を横に振る。
「…畜生!!! どうしたらいいんだ!!!」
「…とにかく、こいつを放った人物を探し出しましょう。
まだそんなに遠くへ入っていないはずです!!!」
「よし、分かった。中村、お前は吉田を病院へ連れて行ってやってくれ。
オレとマネージャーで、そいつを捕まえる!!!」
「ああ。吉田のことはまかしておけ。 …気をつけろよ。」
「ああ。」
かたい握手を交わすなり、西川は走り出した。
吉田は助かる、そう信じて。
ていうかどう見ても刺さってるんですけど。
なあ。
ドリカムの新曲「いつのまに」のCDジャケットです。
まあこのジャケット見た瞬間これくらいの文面は浮かびますわな。
だってどうみても刺さってるもんよ。
つーかマジメな話、
このCDジャケットを店頭で見た瞬間にオレ笑ってたもん。
「吉田美和に花刺さってんよー!!!!」みたいな。
はい、これで皆さんもおそらくこのジャケットは直視できないですね。
見た瞬間に「毒矢」とか思い出して吹き出しますね。
ええ。ええ。
あと「ねえ知ってる?ドリカムの新譜のジャケットにさ、花ついてるじゃん。
あれ、デスゴールドっていう人食い花なんだって。」とか言うね。
なんだよデスゴールドって。
そんな花ねえよ。
…まあとにかく、
どうしてもこの「刺さりっぷり」を紹介したくて。
今年度一番おもろいCDジャケットだと思います。
マジで。