へんじが ない。 ただの しかばねの
「ちょっと待ってもらおうか
ニイチャンよー!!!!」
「動いた!!!?」
「オニィチャンヨォォー!!!!!!」
「言い直した!!!?」
「まったく、これだから近頃の勇者は困るよな。」
「え!!? あ、は、はい、すいません」
「いいか!!? お前、勇者つったらいろんな人に手を差し伸べる!偏見を持たない!
それが勇者じゃあねえのか!!?」
「お、おっしゃる通りです」
「なのにお前は見た目でモノを判断する!貴様の勝手な価値観で、
オレを死体と決め付け、踏みにじり、見下し、セリフすら与えない!」
「えっ、あの、すいませんそんなつもりじゃないんですけど」
「うるせえひよっこ!殺すぞ!!!」
「こ、殺す!!?」
「あーもうマジムカつくわーその態度。そのリアクション。
あんね、つまりお前は最近天狗になってんじゃねえのかってそう言いたいワケよオレは。」
「はあ。」
「はあ。じゃねえだろボケガキ。はい。だろ。返事は。言ってみろ」
「はい」
「そうだよ、やりゃあできんじゃんかよ。
だからぁ、お前最近チヤホヤされてんじゃん勇者ーとかいって。
それはいいんだけどよ、…まあ別にパフパフとかされててもいいんだけどよ、
違うじゃん。そういうの。
ちゃんとさあ、お前勇者なんだからさあ、しっかりして欲しいワケ。
こういう死体とかにも、ちゃんと目を向けて欲しいのよ。
まあ花添えろとは言わないけどさ、なんかこう、気持ちを示せよ。
それもやんないでお前何いきなり へんじが ない。 とか言っちゃってんの。
そういうのが気にくわねえんだよ。な。オレの言ってることわかるか?」
「はあ。」
「んだからぁー」
「はい。」
「…マジお前さあ、一回言われたことは脳に入れとけよ。
そういう態度が口をついて出てる時点でお前ダメじゃん。考えてないじゃん。
なんなんだよお前。…いいか、もう一度言うからよく聞けよ。つまり」
「ニフラム」
シュワー(死ぬ音)