悲哀の彼

「イタイ!! ナニヲスル!!」

制止するのも聞かずに僕は彼を殴った。

納得がいかないのである。

いなくてもクリア可能な彼と、

キングコング救出のキーマンとなる僕。

どちらが主人公にふさわしいか?

答えは明確である。

しかし彼は主人公面を決め込み、

さらにはこちらの世界で笑顔を振りまいている。

こんなヤツが主人公?

主人公が聞いてあきれる。

さらに、彼は僕にこう言った。

「ヨウコソ マイキー!! ツカレタカ? ライフヲ マンタンニシテアゲヨウ!」

僕に恩を着せようというのか。

この僕に!

お前が、この僕に!

僕に!僕に!僕に!!!

「イタイ!! ナニヲスル!!」

「イタイ!! ナニヲスル!!」

「イタイ!! ナニヲスル!!」

「キャーーー!! タスケテーーーー!!」

気がつくと彼はぐったりしていた。

手には血まみれのハンマー。

うずくまる彼。

…僕が悪いんじゃない。

僕が悪いんじゃないんだ。

すべてはこいつが悪い。

こいつが悪いんだ!

僕はそう自分に言い聞かせると、

またアニーを探すため歩き始めた。


数年後、

またワイワイワールドに危機が訪れた。

しかし僕は行かなかった。

主人公はサイボーグになり、

あの彼はブクブクに太り、ただのナビゲーターになっていた。

もう僕は過去の人間だ。

彼のように過去の栄光にすがって生きるつもりも無い。

彼とはもう一生会うことも無いだろう。

…そうだ、

ここを出所したら、アニーと遠い静かなところで暮らそう。

それが僕に残された、唯一の道なのだから―――。


何この文章。

なんで今グーニーズ2。

またなんでコナミマン殴った罪で服役してんのマイキー。

なあ。

…こういうネタは終電で帰ってきた人がやっちゃダメだと思うよ。

とりとめ無いから。