行くぜ、ハーゴン城。

「命の紋章入手」。

ベラヌールへ戻ってきた一行。

「ベラヌールから行けるってことは…、やっぱり旅のトビラとかそういうんだろうなあ。」

「そうね。」

「でもさ、もうこの町の怪しいとこって…」

「無いよなあ。」

「そうよね。」

「水の中にあったりしてな。」

「まさかあ。ウフフ…」

「あのー…」

「? 何?」

「あそこ、あそこ。」

「ん? 教会がどうかしたの?」

「ヘンな通路があるんだけど。」

「どれどれ。」

そこには。

ダメージゾーンが張り巡らせてある細い通路が。

「……」

「な、なんて怪しいんだ…。」

「これは行くしかないわね…。」

ていうか何でお前らこれに気付かないんだよなんていうとまた斬りつけられるので

黙っておくことにしました。

ダメージゾーンから身を守る魔法「トラマナ」を唱え、中に入る。

――――――― が。
 
「何これ!!?」

中には階段がひとつ。

階段を上るとロンダルキアがどうのこうの言ってるドリーミー老人がたたずんでいるだけ。

「行き止まり?」

「いや、そんなはずは…」

老人の部屋をくまなく散策するが、モー娘。のポスターしかない。

しかたがないのでポスターを奪い、泣きじゃくる老人をナックルでガツン。

下に下りてやはり調べていくと…

「あっ! この壁抜けれる!」

「おおっ!」

そこを抜け、外に出ると…。

ついに来た。

ロンダルキア。

ハーゴンの本拠地。

そして、お告げ通り目の前に沼地。

「ココ…か。」

そこで邪神の像をおもむろに取り出し、高く、高く掲げる。

すると…

「!!? う、うわあっ!」

ものすごい地響きとともに、目の前の山脈が変化していく。

落ち着きを取り戻したその頃には、目の前にひとつの洞窟が出来上がっていた。

まるで、

…そう、まるでボクたちを待ち構えていたかのように。

「…今は、前へ。」

「うん。」

「行くぜっ!」

猛然と洞窟に乗り込ん落とし穴ガッシャーン。
 
「痛ェエーーーー!!!!!!」

「あーなんかせっかくカッコイイモードだったのに…」

「あーちっくしょォ!! だが! だがただでは起きないオレ様!

きっとこれもルビスの未来日記!落とし穴に落ちるシナリオも完成済み!

てことは!」

「てことは?」

「このフロアに何かあるはずだっつーのよ!」

「またそんな都合のいいことが…」

「あ。」

「? どうしたのよとらうま。」

「宝箱があるよ。」

「ほら言っただろお前ら!きっとこの中にはステキな…」

命の紋章が入ってました。
 
「うわあああー!!!?」

「す、すごーい!」

「だ、バッ、え!? あ、その、なんだ、すげーだろオレ様!!!!」

「結果オーライだけどね。」

「そうね。」

「う、あ、あーなんとでも言うが良いさ!

…とにかく紋章が見つかったんだ、ルビスの加護を授かりに戻ろう!」

3人は北東のほこらへ戻り、ルビスの神殿の場所を聞き、船をはしらせた。

周りが海で囲まれ、なんともフシギな空間を醸し出している。

「うわあ…」

3人は下へ、下へと進んでいく。

そして…

「ココが最下層か…。」

「なんともいえない、心が安らぐような雰囲気だわ…。」

その時、

5つの紋章が共鳴し始めた。

「! これは…」

紋章はまばゆい光とともにひとつになっていく。

あまりのまぶしさで目が開けられない。

やがて、光が収まり、5つあった紋章は一つのペンダントへと姿を変えた。

今まで誰も見たことが無いような輝きと安らぎをもたらすペンダント。

これこそ、「ルビスのまもり」。

「これが…」

すると、どこからともなく声が聞こえてきた。

「…勇者の血をひきし者たちよ……………」

「!? だ、誰…?」

「私は精霊ルビス。古くからこの大地を見守ってきたものです。

若き勇者たちよ、この世界を救うことが出来るのはもはやあなたたちしかおりません。

いわばあなたたちは世界の、皆の希望。

…行きなさい。そして、ハーゴンを倒すのです………………」

声が消え、あたりに静寂が戻る。

「…なんかさ、

そんな希望だとか、よくわかんないけどさ、

とにかくやれるだけの事をやろうよ。なあ、とらうま、にせもの。」

「うん。」

「そうね。」

「さあ、あの洞窟さっさと抜けて、ハーゴンに一発くれてやろうぜ!」

「イエー!」

3人はまた洞窟へ。

中は巧妙なワナの連続。

ループに継ぐループ、

落とし穴に継ぐ落とし穴。

「あーもう!!!」

「やっぱりそう簡単には通してくれないね…」

「そうね…。でも。」

「でも?」

「たまにはいいこともあるみたいよ。」

そういってニセモノが指差した先にはひとつの宝箱。

開けてみると、中には…

「これは!」

まばゆい青色の鎧。見覚えのある紋章。

そう、「ロトの鎧」。

「これでロトの装備がそろったね!うそつき!」

「おっ、なかなかカッコイイじゃんよ!

しかも、こう、力が湧き出る感じがするし!」

「さあ、こんな洞窟に手間取っている暇は無いわ。行きましょう!」

ザコを蹴散らし、進む進む。

トラップを抜け、突き進む。

その先には。

「!」

…まるで別世界のような凍りついた世界がそこにはあった。

ハーゴンの冷酷さを物語るような大地。

「…何だこれ…………」

そんななかにひとつのほこらを発見した。

中には神官とシスター。

入ると、神官たちは僕らを迎え入れてくれた。

「…私たちはずっと、ずっとあなた方が来るのを待っておりました。

勇者様。

ああ、ついに勇者様が……」

神官は涙を流して僕らを迎えてくれた。

この凍てついた大地で唯一聖なる力で守られた場所。

この地を勇者が現れるまでずっと守り続けていたそうだ。

「…ありがとう、感謝するよ。」

僕らはココで体勢を立て直すことにした。

ハーゴンの城はもう目前。

今までいろんなことがあったけど、

もうすぐ終わるんだ。

いや、終わらせる。

終わらせてみせる。

固い決意の3人は眠りについた。

明日は。

多分今までで一番長い一日になりそうだ。

ゆっくり。

ゆっくり休もう。

まってろ、ハーゴン。