まず言わせていただくと、いくらWiiが斬新な遊び方をするっていっても
大体の人はある程度さわったら慣れますよ。
はっきり言って普通のゲーマー相手にはこんなソフトいりません。
でもこのソフトはおそらくそういう人がターゲットじゃなくて、
カンタンな導入からいけるからやってみてよっていう、
いわゆるゲームやったこと無い人向けの導入口としてあるんだと思うのね。
そう考えると、
任天堂は本当にあたらしいユーザを取り込んで行きたいんだなあという
すごい意欲が、このゲームから伝わってきます。
だって、だってさ、
今までゲームハードのレクチャーをするソフトなんてあったか!!?
ないだろー。
それがすごい。
完全にゲームやったこと無い人の視点に立ってるのがすごい。
オレにはレクチャーソフトを必要とするという概念が無いもの。
ゲーム慣れしてるから。
でもきっと世の中のゲームやったこと無い人は、
どうしたらいいかわかんないんだろうな。っていう。
その視点に立ててるのがすごいな。
その視点に立ったからこそ、レクチャーソフトが作れたんだと思う。
…ただなー、
これ、レクチャーソフトの皮をかぶった狼だったんだよね…。
ということではじめてのWiiです。
Wiiの発売と同時に出されたタイトルです。
内容はゲームをやりながらWiiの操作を覚えていくものなんですけども、
レクチャーソフトのくせに気合入りすぎ。
つかこのソフトを買っただけで、
「卓球」、「ビリヤード」、「エアホッケー」、「ダックハントもどき」が遊べるっていうだけで
相当ポイント高いと思う。
他にもいろいろ遊べるんですけど、
これらの動作がそのままレクチャーになるのでまー楽しい。
んで全部対戦できるしね。
これはいいよ。
そんでさらにコントローラもついてくるんだからホント導入に最適。
もし自分以外でご家庭にもう1人以上ゲームをやる人がいるなら、
このソフトは買って損なし!
簡単操作の卓球だけでも相当遊べます。
…ということで、
Wii購入をご検討の方はどうせどのみちコントローラ買うんですから、
この「はじめてのWii」パックの分をはじめから上乗せした形で
検討していただければいいんじゃないでしょうか。
それぞれのゲームもそこそこ楽しめるし、何よりさっきあげたタイトルは
マジで楽しく遊べるし、
実はすべてのゲームについてやりこみ度合いによる評価がもらえるので
ちまちまと長く遊べます!
とりあえず、な1本。
さすがレクチャーソフト、堅実なおもしろさですね。終わり。
じゃ、ないんだよな…。
終われないんですよ…。
ここまで読むと、家族みんなで!みたいなね、
そういうゲームに見えてくるんですけど、
これを1人でやりこんだ時に、このゲームの暗黒面が見えてくるのです…。
いや正直ワタシ、完全に甘く見てました。
このレビューを書き始めた頃は、正直そんなにやりこんで無かったですよ。
そりゃだってねえ、一応レクチャーソフトだしねえ。
コントローラもついてるし価格と比べてもまあ納得いく内容ですね、終わり。なんてね。
それくらいでいいと思ってましたよ。
したら違うんだよこいつが…!
ということで、ここから突っ込んだレビューを書きます。
ゲームは9種類あって、クリアするごとに遊べるゲームが増えていきます。
最初は単純にリモコンをポインティングして射撃をする
シューティングゲーム(前述のダックハントもどきがそれです)。
そこからポインティングのスキルが上がるような内容のゲームが増えてって、
最終的にはひねったり押したり引いたりヌンチャクつかったりと
Wiiの主要動作を体験できるカリキュラムのゲームがどんどん遊べるようになります。
…そこまではよい。
でですね、はっきりいって9種類のゲームを出すのは簡単です。
とりあえずやればいいんですから。
やれば、結果うんぬんに関係なく次のゲームが遊べるようになるので、
どんなにド下手でもすべてのゲームがプレイできます。
そして先に書いたとおり、
とりあえず進めば卓球やビリヤードが遊べるようになるので、
かなり使えて、かつすばらしいソフトであると言えましょう。
問題は、ここからです。
9種類すべてのゲームについて、
それぞれ目標達成度合いに応じてメダルがもらえます。
たとえば最初のステージのシューティングであれば、
何点以上は金メダル、ある水準なら銀メダル、といった具合です。
あんまり評価が低いとメダルはもらえません。
これが!
これが極めようとするとハンパじゃない難しさ!
たとえばステージ2に「あのMiiをさがせ」というゲームがありまして、
内容はカンタンにいうと「ウォーリーを探せ」と同じで
出題されたお題にあうキャラを見つけられればクリアなんですけど、
30問くらい解いてもまだ銅メダルです。
50問以上解いてようやく銀メダルです。
頭がおかしくなってきます。
んでもちろん時間制限もありますので、どんどん追い詰められてきます。
素でパニックになります。
特にああいうタイプの遊びって、見つかるときはすぐ見つかるんだけど
見つからないときは脳のヘンな思考回路がジャマして
本気で見つからなかったりするじゃないですか。
そういうのがあいまってもう、地獄です。
…もちろん難しいのはこれだけではありません。
ステージ4の「ポーズMii」という、リモコンをひねってうまく自分の体を出てくる型に
合わせていくっていうゲームはあわててる間にすぐタイムアップが来ちゃうし、
ステージ9の「タンク!」というラジコンタンクを操作して敵をやっつけるゲームは
敵側が高速弾やら地雷やらをふんだんに使ってくるので
ボーッとしてると瞬殺されるし、
今紹介した以外のゲームもかなり厳しい条件を出してきてるので
すべて金メダルを目指そうと思うと相当な腕前が要求されます。
…でね、
一番問題だと思うのが、たとえばこのレビューを見て
「おお、名前のワリに骨のあるゲームみたいだからチャレンジしてみよう」つって
買うんならいいですよ。
でもそうじゃなくて、リモコン目当てで買うような普通のアットホーム家庭でね?
「メダルがもらえるみたいだから、お父さんがんばって!」なんて
お母さんが言ったらさ、
次の日お父さん自殺してるかもしれないぞ。
そんで遺書に「無理」て血文字で書いてあるかもしれないぞ。
それくらい、普通のゲームやんない人にとって難しいと思う。
…なので、ここで警告しておきたいと思います。
ゲーム自体は十分楽しいし、2人対戦もできるし、
ちょっとした時間つぶしにも使えるすばらしいソフトであることは間違いありません。
ただ適当な気持ちで「メダル出そうかなー」なんて思うな!!!!
メダルに挑むなら、本気で挑んでください。
金メダルは、ゼルダのボスよりはるかに強敵です。
さらに、実はその上のプラチナメダルの存在も…。
このゲーム、ナメてかかってはいけません。
…皆さんの、ご健闘を祈ります。