イエスマン

「なあちょっと」

「はい?」

「報告書のこの部分なんだけどさあ」

「はいはい」

「ですます調とであるだ調は統一しないと」

「はいはいはい」

「あとね」

「はい」

「この辺があいまいだね。適切とか努めるとかはだめだね。もっと明確に」

「はいはいはいはい」

「あとね」

「はい」

「オレのことバカにしてる?」

「はい?」

「はい?じゃなくて。はい?じゃなくてさ」

「はい」

「なんでもかんでもはいはい言ってればいいんじゃないんだよ」

「はい」

「たのむよ」

「はい」

「であとね、この報告書さあ、自分の意見が盛られてないんだよね」

「はいはい」

「お前がどう感じたかっていうのも求められてるわけ。それ書かないと」

「はい」

「報告なんだから。例えばこの部分について、自分の感想を入れるとか…」

「はーいはいはいはい!」

「それとここね、補足なんかも入れて、誰でもわかるような文章にしないと」

「はいはいはいはい!はーいはいはいはいはい!」

「あとね」

「はい」

「オレのことバカにしてる?」

「はい?」

「そのはいはい言うのやめろっていうの」

「はい」

「たのむよ」

「はい」

「うーん、とりあえずそんなところかな。まずそこ直してきて」

「はい」

「もちろんだけど、今日中ね」

「はあ?」