レンタヒーローNO.1

「超一流のB級」である伝説のゲームが帰ってきた!

と、その前にこのゲームには前作があることをご存知でしょうか。

このゲームはもともとメガドライブで、

「レンタヒーロー」という名前で売り出されておりました。

そのなんだか良い世界観とかが一部の人になんだか受けて、

なんだか妙に熱い支持を受けておりました。

そんなゲームが、ドリームキャストで帰ってきたのです。

サターンは?(←そういう事言うなよ。)

さてこのゲーム、厳密には続編ではなくリニューアルです。

オレ自身メガドライブ版は少ししかプレイした事が無いのですが、

今作とストーリーはほぼ同じで、アクションRPGなのも変わりません。

しかし、前作は見下ろし型2Dだったのに対して今作はなんとフルポリゴン!

そして前作でかなり問題視された「戦闘シーンの操作性の悪さ」も、

アーケード「スパイクアウト」のモーションを取り入れた軽快なアクション

変わり、これはもう別モノと言って良いでしょう。

…さて。

タイトルだけみると「ヒーロー物」という事以外何もわからないわけですが、

まったくその通りで、このゲームは「ヒーロー物」なのです。

主人公は何でもない普通の学生。

あるひ、ひょんな事から自宅にコンバットアーマーが送られてきます。

主人公はそれを着用し、悪に立ち向かいます。

…「なんでもない人がひょんな事でヒーローになる」なんて、なんてベタなんでしょう。

ベッタベタ。もうあめ玉を素手で握るようなベタさ加減。

しかしこのままではフツーのヒーローです。「B級」ではないですよね。

どこが「B級」か。

まずはコンバットスーツ。実は与えられた物ではありません。

このコンバットスーツは勝手に送られてきたにもかかわらず、

レンタル商品なのです。

つまり主人公はレンタル元にレンタル料を払って仕事をするのです。

そのかわり報酬はすべて自分の物。

しかし、借り物のスーツを強化するためには自腹を切らないといけないという、

なんともお粗末なスーツを着て事件を解決していきます。

ほら。「B級」。

さらにそのスーツの動力源。

「光の力がどうたらこうたら」とか「愛と勇気でどうたらこうたら」なんて

カッコいいスーツではなく。
 
電池で動きます。

なので、電池が切れたりもします。

主人公はコンバットスーツのための電池も買わなければいけないのですよ。

もちろん電池が切れるとそこは普通の人間。

特撮モノみたいにあらかじめ鍛えられた戦士が選ばれているわけではないので、

死ぬほど弱くなります。

弱いジャブしか出来なくなります。

足も遅くなります。

当然特殊な技も出せなくなります。

本当に一般人です。

ていうかオレに言わせれば普通の人がヤンキーの皆さん等に

弱いジャブを一発お見舞いする、いや、お見舞いしようとするだけで、

かなり勇気のある男前だと言えなくも無いですけども。

そんなヒーロー。

ね。「B級」。

ちなみに仕事内容も全部が全部「悪の組織を倒してくれ」なんつー依頼では

ありません。

町内パトロールなんてまだ良い方で、

「ラブレターを届けてくれ」だの「ラーメンの出前をやって」だのと

まさに便利屋状態。

悲しき「レンタヒーロー」。

そう、まさに、「B級」。

しかし、このゲーム自体はかなり良く出来た作品です。

途中途中に細かく入るセリフまわしや、街のつくりなど、

そのすべてが「B級」世界を作る事に一生懸命で、とても好感がもてます。

主題歌もなんとあの「影山ヒロノブ」(ドラゴンボールZの主題歌とか歌ってる人)さんが

歌い上げていて、世界をさらに磨き上げています。

すごくがんばっているのにそれを「B級」に結びつけるすばらしさ。

なんとなくオレ的に、「グルーヴ地獄V」と製作コンセプトが似ているな、

と思いました。

どちらも、くだらない事をやるために、くだらない事を楽しむために一生懸命な姿勢。

ゆえに、「超一流のB級」。

その名前は、ダテじゃ無い。

こういう世界、体験してみてはどうでしょう。