僕たちは、戦う。

そして…。

このままじゃうそつきがあぶない。

2人は階段を駆け上がる。

上がり終えると、そこでは親子が仲良く食事を楽しんでいた。

「待てッ!!!」

息を切らせ、とらうまが叫ぶ。

「うそつき、そいつはローレシア王なんかじゃ無い!!!

そいつは、ハーゴンの作ったまやかしなんだ!!!」

「…おやおや、元気のいい王子様だ。

何を言っておる。ここはれっきとしたローレシア城であり、私はローレシア王じゃよ。」

とらうまの叫びにローレシア王が答える。

「ささ、君たちも一緒にどうじゃ。もう何も恐れることなど…」

「ふっ、ふざけるな!!!!

そんな都合のいい話があってたまるか!!! 

お前たちのせいで、幾人もの人が命を落としてるんだぞ!!?

……なあ、うそつき?」

とらうまがうそつきに目をやる。

――― しかし。

「…あ……う…………」

「ど、どうしちゃったんだようそつき、何をしてるんだよ、ほら…」

「いや…あの…さ、もう…いいと…思うんだよね……。

「えっ!!?」

「これで…いいと……おもうんだよ。」

「どっ、どうして!!?」

「だって…さあ、すごく平和じゃん。

なんていうか、落ち着ける…っていうか、

オレたちが今までやってきたことのほうがまやかしなんじゃないかな…って。」

「な、何言ってんだようそつき!」

「だってそうだろ!!?

目の前で魔物が死んだり人が死んだりさあ!!!

もううんざりなんだよ!!!!

ずっと、ずっとこんなんだぜ!!?

そんなの悪夢としか思えないだろ!!?

そうだろ!!?

だったらさあ、ここでゆっくり暮らそうぜ!!?
 
争いの無い世界でさあ!!!」

 

「もう、疲れたよ…」

 

――― そこへ。

パシッ

にせものがうそつきの頬を打つ。

「なっ…」

「バカなこと言ってんじゃないわよ!!!!!!

あんたねえ、

私たちがどれだけのもの背負ってここまで来たんだかわかってんの!!!?

世界中の人が、私たちに平和を望んで、

そうしてここまで来てんのよ!!?

私たちが平和にするのよ!!!

…ハーゴンなんかに、

お父様を殺した奴なんかに、

本当の平和なんて、

幸せなんてわかるわけが無いじゃないのよ!!!!!!」

「…けど……」

うつむくうそつき。

すると。

「…これでもわからない!!!?」

そう叫ぶと、

袋からルビスのまもりを取り出し、高く放り投げる。

「!! そ、そのペンダントは…」

ルビスのまもりからまばゆい光が溢れ出し、あたりを包み込む。

あたたかい、あたたかい光。

「キ、キサマ…」

ローレシア王が突然苦しみ始める。

時を同じくして、侍女や近衛兵たちが次々と消え去っていく。

城のまやかしが吹き飛んでいく。

白い城壁は崩れ落ち、赤土色の崩れたレンガが剥き出しになる。

地面からは毒の沼が溢れ出し、

あたりに異臭が立ち込める。

まるで陥落したムーンブルク城を思い起こさせるような、

廃墟。

そして。

「ああ…あう……」

床にへたれこみ、現実を直視できないうそつきがいた。

「どう、これでわかったかしら…。

いい?

私たちは、戦わなくてはならないの。

あなたの言っていたような、争いの無い世界にするために。」

「…」

しばし無言のうそつき。

やがて、ゆっくりと立ち上がる。

「そう…だよな。」

「うそつき…」

「そんなわけねえよなあ。悪い、オレどうかしてたわ。」

「よかった…」

「…でもうそつきも、案外弱いところあるんだね。」

「バッ、な、何言ってんだよ、とらうま…。

あー、なんか恥ずかしいところ見せちまったなあ…。」

ちょっと照れてみせるうそつき。

「さて…、行きましょう。」

「そうだな。

絶対、世界を救って見せる。」

3人は玉座の後ろにある通路から、

ハーゴン城の内部へと入っていった。

あらたな決意を胸に。

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