続・怒りの挑戦状(GCCX 三丁目の有野レビュー後編)

三丁目の有野をクリアした話をずいぶんと書いてなかったので

ちゃんと書きたいのですが、思い出したくない…。マジで思い出したくない!

でもまあ、ケジメとして残しておきます。なお、前回までの話はこちら。

えーと、前回までで「BREAKSHOOT」に触れたくらいでしたかね。

そこまで、収録ミニゲームの色彩が時代に合って無い!と

端的に書けてたんですけども、この「BREAKSHOOT」がクセモノで。

おそらくネオジオを想定したブロック崩しなんですが、

これは今までとは逆に、ネオジオでそんなショボいゲームねーよ!っていうくらい

迫力に欠けるゲームで…。

「80年代で家庭用完全移植なんかほっとんどねーよ!」という評価に加え、

さらに「90年代のゲーマーを虜にしたネオジオなめんなよ!」という

またよくわからない称号までつきました。

なんでこんなにセンスないの…。

ゲーム自体もさあ、革新的な内容も無く、

アルカノイドよりギミック少ないブロック崩しなんて誰が喜ぶんだよなあ。

やたらボールが遮られて爽快感ないし。

必殺ショットで敵をぶっ飛ばしちゃうくらいのことをさせてほしかったなあ…。


次は「ゾリアテス」。

挑戦状1でキャラバンシューティング風の「スタープリンス」、

挑戦状2でザナックやイメージファイトを思わせる「ガンデュエル」ときて、

なんでまたキャラバンシューティング風に戻っちゃうのさ!

縦シューだっていろいろあるでしょうが…。

ツインビーとか…。1943とか…。ゼビウスとか…。

でもその分?シューティングとしては真っ当な作りで、

地上物を破壊するタイミングをうまくつないでスコアコンボを達成させるというのは

最近のケイブシューティング系のコンボに少し通じるものがあり、

スコアラーな方は楽しめると思います。

ただし、

そのスコアラー仕様のシステムをこなさないと先に進めない課題が出てきますので、

ワタシみたいな人ならいいですけど、これはゲームやらない人にとっては大変!

結構きっちり、クリアを目指さないといけません。

リトライするたびに目標スコアは下がっていくので、あとはとにかくやりこむのみ…。

これに関してはその課題が悪い、というわけではなく、

もし三丁目の有野を遊ぶならシューティングがそれなりにできないとダメですよ、という

いわば警告です。WingHeroも地味に課題の難易度が高いので、覚悟してください。


…そして、気絶するほどつまらないRPG「Blood of Dragon」。

これがまたすごい。

最近発売されるRPGは「選択が未来を紡ぐRPG」のように枕詞がつきますけど、

それと同じトーンで「気絶するほどつまらないRPG」ですよ。

もうあの、町の人が一切動かず棒立ちという

奇跡の仕様からして存在がアルテマウェポンですが、

とにかく、このゲームはツッコミを入れるためだけに存在します。

戦闘の曲聞いて「FF5かよ!」って言うために。

主人公のステータス見て「初期スキルが”ぬすむ”ってお前!」って言うために。

間取と外観が合わない家を見て「リフォームしろよ!」って言うために。

そして、出される課題のあまりのひどさに「苦行か!」って言うために。

もうたまりません。助けてください。

戦闘バランスも悪く、キャラに魅力も無く、

かといって昔のRPGのようにさばさばと割り切ったようなやりとりをするでもなく、

テキストの表示だけやたらきれいでレトロ感も無し。どう見てもiモードアプリ。

出される課題もひたすら面倒で、

…特に尋常じゃないレベル上げを強要される課題がヤバい!

そこはCXのスタッフさんに手伝ってもらうかどうか選べるんですけども、

選ばないヤツなんかいないから強制的にやってほしい。

なんならもう、そのレベルからスタートしてほしい。

ていうかもう、クリアしてほしい。

本物のCXみたく、「ADさんの出したエンディングがこちら」でいいよ。

んでまた悪い事にこの奇跡的につまらないRPGの次が最後のゲームなので、

ここまで散々たまってきたストレスと、このゲームのストレスと、

さっさと先を見たいのに見れないストレスで、

たぶんですけど何人かリアルで死ぬと思います。

胃に穴が開くどころか、お腹に穴が開くと思います。

ワタシは幸いにも、近所にバッティングセンターがあったので

何発か打ってストレスを抜く事が出来ました。

まあ打ったのはボールじゃなくて客ですけども。


…で、最後のゲーム「ネジマキングダム」。

世間的にはゼルダ風と言われてますが、感覚としてはゴエモンが一番近いです。

これはあのー、うーん、ドット絵はいいと思うんですよ。

なぜかPCエンジンっぽいのはおいといたにしても。

操作性も悪いと思わないし、ちゃんとゲームにはなってると思うんです。

ただ、主人公が死ぬとその場に亡骸が残って、それを押して盾にしたり出来るという

このゲームにおいて一番大事なアイデアを、

一切使うことなくクリアできるという点が超問題。

例えばゼルダによくある仕掛けとして「石を押してスイッチの上に置く」というのが

あるじゃないですか。

…ちゃんと、石が用意してあるんだよね。

そこはわざと死ぬところじゃないの…?

何のために大量に残機用意してあるの…?

ザコとの戦闘もまったく普通のアクションなので、亡骸いらず。

さらに、ボスとの戦闘も死亡ありきではありません。

おそらくすべてのボスが、残機を消費せず倒せます。

避けようがない攻撃をくらった覚えが無いので…。

多少ダメージを受けても、ザコを殺して回復すればOK。

もしくは残機にまかせてゴリ押し。亡骸はただジャマなだけ。

…この点がホントにもう、致命的。

結局、ただただ残機を消費して、ただただ先に進むだけです。

アクションRPGにおいて非常に大事な知的欲求がほとんど満たされぬまま、

絵柄とは裏腹にマッシヴな展開の繰り返し。

まあ、それを「面白い」と思う方もいるでしょう。

でもその「面白い」は、シリアスサムとかSMASHTVとかああいう

アメリカン脳天気ショットばら撒きシューティングをチートで残機無限にして特攻して

ゲラゲラ笑うような「面白い」にとても近くて、

それ自体は別にいいんですけど、アクションRPGという見せ方をしているソフトで

その「面白い」は違うだろうと、思うわけです。つか絶対おかしい。

…ちなみに、このゲームだけはエンディングを見る必要があります。

知性のかけらも無い戦い方で何の苦労もなく見れましたので、特に何もありません。

これ、避けようがない攻撃を食らいながら、死にまくりつつ進むゲームだったら、

逆にトガっててよかったと思うんだけどなあ。

素材はそれなりなので、なんとも惜しい作品でした。


ということで、これで一通りですかね。

なお、途中に「登郎」という初期のコモドールレベルのゲームがあるのですが、

特に感想はありません。ただ落ちてくるブロックを避けて登るだけなのですが、

あそこまで原始的なソフトになっちゃうともう、

いいとか悪いとかを超越してしまっているので…。

棒切れを振り回すだけでちょっと面白かったりするじゃないですか。そういうレベル。


…そういう事で総括すると、

一応今作はゲーセンにスポットが当たっていましたが、

ただドット絵というだけでレトロ感は無く、

当時ですらここまでひどいソフトはないぞというようなゲームが連発され、

間違った知識で作られたLCDゲームやジャンケンゲームが世に蔓延し、

当時ではありえない家庭用無劣化移植や、

逆に想定スペックとは程遠い貧弱なソフトが当然のように存在する世界で、

減色もままならず顔面がまだらになった少年課長やADのみなさんが

気持ち悪いアバターとなってあらわれ、無理難題をふっかけるという

本当に、ゲームセンターCXを完全にバカにしたようなソフト。でした。

特典DVDは特に有野の挑戦状2に挑むところが面白くて、

逆に、BREAKSHOOT対決でルールをきちんと説明せずに勝ち進むあたりがひどく、

この開発会社の社長に心底殺意を覚えました。

もし、もしこのソフトに興味があれば、絶対に中古での購入をオススメします。

ウチのサイトでこんな偏ったレビューを書いたのは、過去ほとんどありません。

それほどまでに、ひどいソフトでしたので…。

さあ、気持ち切り替えて他のソフトやろっと。


おまけ。

番組中で有野課長が出したアイデアが、

本編中に出てこなくておまけ要素で出てくる、というのがどうしても納得いきません。

具体的にはシューティング「WingHero」で、

自機墜落中、マイクに息を吹きかけると復帰できる、というものなんですが…。

ストーリー上で遊ぶときには、その機能が使えないんですよ!

結局それを試さずに、ゲームは終わってしまいました。

このグレフって会社、番組ホストを何だと思ってるんだろうね。

信じられない。ああイライラする。寝よ寝よ。