メタルマックスのはなし

あのー…、3DSバーチャルコンソールの、メタルマックスを…買ったのね。

これは、おもしろいね。おもしろい。

ただあの、まわりにメタルマックスが大スキな人がいすぎて、

うかつなことを書いてケガしないか心配で(笑)。

でもあのー、きっとワタシみたいなメタルサーガを中途半端に遊んだ程度の

ビギナーが書いたら書いたで新鮮だと思うので、今日はその話を。

…あらかじめ言っておきますが、何かを見たり聞いたりせず、

単純に少し遊んで感じた話を書いてますのでそのつもりで。

進み具合としてはそうですね、いろんなカギが開けられるようになったくらいです。


…さて。

ゲームとしては、要はRPGなんですけど、なんだろう…本当に独特。

あえて書くならば、一番似てるRPGはMOTHER1かなあ。

世界観こそ全然違うけど、流れてる空気というか。

荒廃してるけど生き生きとしてて、ちょっとドライ。みたいな。

あとひらけたカンジもそうだし、テキストとか、キャラの配置とか、

凝ったフィールドとか、遊びごころとか、敵キャラとか、そういう。

最大の違いは武器が実弾っていうところだね(笑)。

個人的には桃伝っぽさも感じます。

MOTHERもそうだけど、いわゆるドラクエに対するアンチテーゼ的な。

メタルマックスはアンチテーゼというより、RPGというベースで

やりたいようにやったら結果的にそうなったっていうカンジを受けますけど(笑)。

…でね。

メタルマックスを一般的に、また端的に表すと

「戦車改造RPG」ということになると思うのね。

実際RPGで武器防具を買うように戦車を改造していくため、

やっぱりどうしてもどういう改造がいいとか、どういう車に乗れるとか

そういうマシナリーな話題になりがちで。

たぶん遊んだ事無い人からしたら、余計にそういうイメージがあると思う。

けどあれ、遊ぶとわかりますが、

そういった戦車の種類が多いとかってのは確かに雰囲気に一役買っているけれど、

それよりもう1段掘り下がった「ゲーム全体のセンス」と、

「戦車なくしてありえないゲームシステム」っていう、

その2点のすごさが基盤としてあるんじゃないかなと。


例えばなんですけど、序盤でデカいサルが火炎放射器持ってるっていう絵の

「サルモネラ一家」なるボスの住処に行くんですが、

途中にこういう場所があるのね。

こんなわかりやすいトラップないじゃないですか。

こういうのって、サル知恵というか、

サルモネラ一家の程度の低さを象徴してますよね。

そういうのが、いい。そういうセンスがいいのよ。

あとあのー、フィールドも凝ってて、

また例を出すと、途中海に架かっていた橋が壊れてるところがあるんですが、

そのまわりをぐるっとコンクリで固めてあるのね。

突貫で補修したんだなっていう。

そういうのが、いい。いいと思いませんか。

人物のセリフもいちいちセンスいいしね。

この、次は何を繰り出してくるんだろうというRPGの基本的なおもしろさが、

大きな魅力のひとつなんだと思います。


…そして、ゲーム面ではその戦車を使ったシステムね。

ここからちょっと実際にプレイした時の話になるんですが、

まずフィールドを走ってたら、なんか地雷を踏んだような感じになって、

いきなり戦車の装甲(HP)がゼロになったんです。

戦車は装甲が無くなっても走れるので、

あぶねーこれはまだ行けない所だと思い一旦帰還して。

けど他に行くところがなかったので、再チャレンジ。

また地雷?を受けて装甲がゼロになったんですけど、

まあいいやっつって突き進んでたら、それは地雷じゃなくて、砲撃で。

「ビッグキャノン」なるボス敵が、フィールドにいたんです。

いるっていうか、設置されてた。

そしてビッグキャノンの見えない範囲あたりから

フィールド上でボコスカ撃たれていたという。

んで、満身創痍のまま戦闘。当然即死。

そこで試行錯誤するうち、

ビッグキャノンと接触する一歩手前で砲撃が止むのを発見!

ははーん、これはつまり、大型の乗りもので戦うのではなくて、

直前で戦車から降りて、砲身を避けるようなイメージで身軽な人間が挑むんだな!

つって大砲くらって即死。

あれ…?

んで今度は大量に回復用の装甲を持って、

目の前で装甲を貼りまくって挑む通称サロンパス戦法で挑むも、押され負けて死亡。

ここで一度「やりようがねーよ!」と絶叫して

ハウスオブザデッドで銃を乱射したりしたんですけど、

冷静になって街をひとつひとつ散策したら

今までまったく用が無いと思ってたショップに

この問題を解決するアイテムが売っていて…。

サロンパス戦法と併せて、ギリギリのところでビッグキャノンを倒す事ができました。


…このくだりはただのゲームオンチのグチに見えるようですが、

この、戦車っていうのが効いてます。

ジョブとかそういう類のものとは置き換えられず、

戦車である事にきちんと意味があ る。

乗ると強力で、中にいれば守られるけど、改造しないと強くならず、

かつその時点その時点での改造に限界がある。

だからこそこの戦闘イベントは成り立っています。

戦車はどういう状態でダメになるのか。何が有効なのか。何を持って行くのか。

試行錯誤し、ボスに挑む。

…要するに、

メタルマックスは見た目よりも繊細なバランスが組み込まれたゲームというのが

このくだりで見て取れるわけです。

そしてさらにいいのが、

たぶん、たぶんですけど、人間にはレベルがあるので、

延々とレベルを上げれば人間でも倒せるんだと思うんですよ(笑)。

つまり、イベント戦闘に近いバランスだけど、実際はそうじゃない。

そこがいい。そこがいいと思いませんか奥さん。

…メタルマックスは、そんなゲームだなと感じました。

それにしても、いい空気の世界観に、独特の練り方をしたシステム。

これを、カオス状態のファミコン市場で選択し、

リアルタイムで遊んだ人は、本当にシアワセだったことだろうね…。


ということで…、ひとしきり感じた事は書けたので、

あとはのんびりとこの冒険を少しずつ楽しんでいきたいと思います。

あの、もちろん不満も無いわけじゃないです。キーレスポンスの遅さとか。

装備売るときにどれが今装備してるものかパッとわからないとか。

逆にザコ戦が少し大雑把とか。

でもなあ、ファミコンだしなあ…。ちょっと野暮ったいですね。

さあ、まだ先は長そうですから。がんばれガリバー!

あ、主人公の名前はガリバーにしました。

中古車の選定眼はあると思ったので…。

最初の戦車はホンダ、次はダイハツ。

駐車場には8台置けそうなので、最後はベンツにしたいです。