第1章

「ライアンさん、どうしたら人間になれるのでしょうか」

「無理だな」

「いきなり全否定ですか。それはあんまりではないでしょうか」

「じゃあしょうがないから教えてやろう」

「ありがとうございます」

「まずそのヒダヒダを切れ」

「ええっ!」

「いいから切れ」

「あのう、もっと別の方法はないのでしょうか」

「あるよ」

「あるんじゃないですか。だったら今のくだりは必要ないじゃないですか」

「きびしいなホイミンは。それでは人間にはなれないぞ」

「それは困ります」

「ではさっそくだが2000ゴールドいただこう」

「おっ、お金取るんですか!」

「取るよ」

「あっさり言い放ちましたね。でもそんなお金は持っていません」

「取れないよ」

「誰への報告なんですか。リアクションが適当ですよ」

「ホイミンよ、人間とはそういう生き物なのだ」

「はい?」

「人間とは、複雑で適当な部分を持ってこそ人間なのだ」

「はあ」

「はいかいいえでは分けられない、その適当さが言ってみれば人間の本質なのだ」

「でもライアンさんはすべての質問をずっとはいかいいえで答えて」

「うるさい!」

「ひっ」

「じゃあ何か?私が人間ではないというのか!?」

「いえ、そうではないですけども」

「ああよかった」

「なんでそこでホッとするんですか。大丈夫ですよライアンさんは人間ですよ」

「うむうむ。よし、これでわかったな。ホイミンよ」

「え、え、何が?」

「ホイミンが今感じた気持ちが、人間の持つこころのやさしさだ」

「はい」

「そういうこころの部分をどんどん養っていけ。怒り、悲しみ、苦しみ、ねたみ…」

「暗いのばっかりじゃないですか」

「そういう部分も持ち合わせこそ人間というものだ」

「ネガティブすぎませんか」

「そうかもね」

「きみとはやっとれんわ」


フロシキをじわじわ出させていただいております。

じわじわ不定期でやってますのでじわじわとご確認ください。

そして、あきれてください。