「あー勝った勝った」
「姫様は本当に強いのう」
「一度踏まれてみたいですよね」
「おぬし自分の言ってることがわかっているのか」
「わかっていますとも」
「なるほど、ド変態じゃな」
「何を言うんですか鉄球魔人みたいな顔の分際で」
「ほっとけ」
「今日はモーニングスターはお持ちじゃないんですか」
「うるさいわ。ほれ、2戦目がはじまるぞ」
「大丈夫ですよ、鉄のツメも、薬草も持ってったし」
「まあな、我らが姫さまなら心配ないじゃろう」
「しかし素敵ですよねー姫さまは」
「そうか?」
「あのおてんばじゃ済まされないところが好きです」
「まあ確かに城のカベをブチ破るのは完全におてんばを越えてバーサーカーじゃな」
「素手でいきますからね」
「素手でいくからのう」
「もう魔物と呼んでも差し支えないですよね」
「お前本当に好きなのか」
「もちろんですよ」
「そうか」
「…あっ、もう気がついたら4戦目ですよ」
「あっというまじゃな」
「あーあ、しかし勝ちのわかってる勝負を見るのも退屈ですね」
「なんじゃ、お前姫さまの勇姿を見たいんじゃないのか」
「だって張り合いがないじゃないですか。デスなんとかってやつならまだしも」
「しかしそいつが出たら危険じゃぞ。なんでもこれまでの参加者はすべて…」
「息の根を止められた…と言ってましたね」
「…」
「…」
「ま、まあでも大丈夫じゃろ。なんたって姫さまはあの強さじゃからな」
「あの強さですものね」
「あのスピードで、あの強さじゃからな」
「あのスピードで、生肉を喰らいますしね」
「それじゃ本当に魔物じゃないか!」
「どっちでも同じことです」
「きみとはやっとれんわ」