いやー墓をあばくのは楽しいなー

あっ、そうだ!

今日は床屋に行こう!




「こんにちはー…ってガイコツじゃねーか!!!!!

「ようこそ、バーバーリッチへ」

「あ、ああ、どうも」

「ステキな店ですよね」

「それ自分で言っちゃうんですね」

「まあとりあえずどうぞどうぞ」

「…はい、失礼します……」



「とりあえず準備しますんで、そちらのソファにおかけになってお待ちください」

「わかりました」



店内ガラガラなのにすげー待つな…。

床きったねーし…。

大丈夫かな…。



「おまたせしました」

「あーはいはいっておおおーい!!!!!

「なんですか」

「イス変わってんじゃねーか!!!!!」

「はい?」

「だから!イスが怪しくなっちゃってるじゃねーかよ!!!!」

「まあまあまあ、いいじゃないですか」

「ちっともよくねーよ!!!」

「でも結構ひんやりしてますよ」

「余計イヤだよ!!!!」

「いえいえもう全然大丈夫ですから。お座りくださいよ」

「なんかヘンなとこ来ちゃったなー…」



「今日はどのように?」

「そうですね、ちょっとイメチェンしたいかなって思ってるんですけど」

「なるほど、イメージチェンジ・略してイメチェンですね」

「言わなくていいからそういうの」

「じゃあさっそくカットしていきますね」

「よろしくお願いしますよ。カッコイイカンジでお願いします」

「では…」



「なんでいきなりヒゲ落としちゃうんだよ!!!!!」

「え?」

「え?じゃねーよ!!!! なんで髪行かないでいきなりヒゲなんだよ!!!」

「ウチはそういうポリシーですから」

「だったらすぐそのポリシー無くせ!!!!」

「いやいやでも、イメチェンですから。イメージチェンジ・略して」

「わかったよ!!! オレが悪かったよ!!! …もう、続けてください」

「かしこまりました。では…」



「いかがでしょう?」

「うっ、リーゼント?…ちょっと、古くない?」

「私が現役の頃はこうでしたね」

「現役っていつが現役なのか知らないけど、そうなんだ」

「イマイチですか?」

「うーん、ほかのにしてくれるかなあ」

「かしこまりました。では…」



「モヒカンもちょっと…」

「いけてませんか?」

「これだとなんかのザコ敵みたいで…」

「かしこまりました。では…」



「べんぱつはもっと…」

「そうですか」

「つーかもう髪の毛相当少なくなっちゃってるんですけど…」

「いやでも大丈夫ですから」

「…そう?じゃあもうまかせるよ」

「かしこまりました。では…」



「ふ、増えた!!!!!!」

「ね?」

「え、ちょっと、どうやってやったの!!?」

「それは秘密です」

「秘密って、お前秘密にも限度があるだろ!!!!」

「別に変な事しかしてないですよ」

「変な事してんじゃねーかよ!!!!」

「いやでも有害じゃないですから。ほかにもいろいろできるんですよ」



「芸者じゃねーか!!!!」



「グルグル巻きにすんな!!!!!」



「変な物かぶせんじゃねえええ!!!!」

「いやーまったく御気に召さないご様子で」

「召さねーよ!!!! だからさあ、もう、お願いだからちゃんとやってよ!!!!!」

「ではちゃんとやります」

「初めからちゃんとしてくれよ…!」

「では…」



「いかがでしょう?」

「うーん、まあ、いいかな…」

「そうですか、ありがとうございます」

「ていうかアレだな、ハリーなんとかの脇役の人みたいだな」

「ああ、あのチェスで死ぬヤツですね」

「死んでないけどね」

「あのシーンはあんまお金かかってなさそうですよね」

「言わなくていいよそういう事」

「ヒロインがどんどんブッサイクになってきてますよね」

「だから言わなくていいから」

「主人公のあの顔のキズ、ホントはメイクですから」

「知ってるよ。みんな知ってるよ。いいよだから言わなくて」

「あ、そっすか」

「うわ、急にタメ口になったよこいつ…」



「ではお会計ですね」

「いくら?」

「9億ベルになります」

「高けーよ!!!! なんでそんなにしちゃうんだよ!!!!!」

「9億ガッシュベルになります」

「え、今のは何?」

「…いえ、なんでもありません」

「とにかく、そんな法外な金額出されても困るよ!」

「…ほう、お客さん、金が払えないと?そうおっしゃる?」

「いや、…だってムリでしょ!!?」

「でしたらお客さんには世間の厳しさを教えてやらなくちゃいけませんねえ…」

「ちょっ、ちょっと、何する気だ!」

「おい!若いの!(パンパン)」

『へい!』



「うわー!!!!!! いっぱい出てきたー!!!!!!!」

「お前ら、このにいちゃんが金払えないて言うてはります」

「言葉づかいおかしくないですか」

「うるさいわ!お前さん、覚悟しいや!!!!!」

「うわ、え、ちょっと!やめて!いやーッッ!!!!!!!」



ボワワワーン



「…うわっ!お前さんは誰じゃ!!?」

「△×□」

「何言ってるか全然わからんよ」

「(泣)」

「でもちょっと伝わっとるよ」

「(笑)」

「なんで笑っとるんじゃ」

「(仮)」

「いややっぱり全然わからん」

 


のちに彼はこうつぶやいたそうです。

「若い連中って言われてもさあ、若いかどうか判断できなくね?」

と…。